初心者が陥りがちなレンタルサーバー選びの7つの罠



ネットビジネスの初心者がレンタルサーバーを選ぶ場合、つい値段やマルチドメイン数・データベース数などの機能面だけに目が行ってしまいがちです。

ところが、安易に選んだサーバーなどを使用していると、様々なトラブルや面倒な手間などが降ってわいたように起こってきます。

もちろん、トラブルの発生しないレンタルサーバーはどこにもありませんので、多少の覚悟は必要です。しかし、その頻度はレンタルサーバーによって大きく異なります。特に格安サーバーでは、その頻度が顕著です。

ネットビジネスで Webサイトやブログ、ネットショップなどを運営する場合、Webサイトの中身を充実させたり、ユーザビリティを向上させるなど、やらなければならないことが山ほどあります。ですから、土台となるべきサーバーのトラブルなどに手を焼くようなことは、できるだけ避ける必要があります。

管理人自身の経験などをもとに、初心者が陥りがちな「レンタルサーバーを選ぶ際の 7つの罠」を挙げてみたいと思います。

同じようなトラブルに巻き込まれないよう、事前にチェックしてみてください。


1. Webサイトが表示されない!

ひと昔からは想像がつかないくらい、サーバーのスペックは遥かに向上し、とても安い値段で快適な Webサイトの運営ができるようになってきました。

しかし、それでも自分が知らない間に Webサイトが表示されなくなっている、という現象は日常的に発生しています。

サイトが表示されない原因としては、サーバー側に起因する障害や負荷を始めとする外部要因に加え、自分自身のサイトに起因する転送量やアクセス数の制限によるトラブルといった内部要因があります。

リアルの店舗に言い換えてみると、同じビル内の他のテナントが火事になってしまって急に閉店せざるを得なくなったり、お客様がドッと押し寄せたせいで店舗が満員になってしまうようなイメージでしょうか。

リアル店舗の場合は、たとえ大混雑したとしても、一旦入店できたお客様には影響はそれほどありませんが、Webサイトの場合は先に閲覧していた人も見られなくなってしまいます。

Webサイトが表示されない状態ということは、店が閉店しているということと同義です。しかも、リアル店舗ではありえないことですが、Webサイトの場合は、自分の知らない間に勝手に閉店してしまっているようなことが起こっているのです。

本来は売り上げが上がっていたはずの時間帯に店が閉まっているわけですから、大きな売り上げの機会損失で、致命的です。

そして、もし初めてサイトに訪れてくれたお客様がそのトラブルがぶつかると、再度訪れてくれることはほぼありません。せっかくのお得意様を確保できるチャンスも逃すことになってしまいます。


2. 表示速度が遅い・・・

共用サーバーの場合、同じサーバーを利用するユーザーの影響をもろに被ります。

そのため、収容人数が多く、スペックが低めの格安サーバーの場合、特に利用者が増加する夜間帯になると、表示速度が非常に遅くなる、という傾向があります。

米国での調査では、ページの読み込み速度が遅くなるたびに顧客満足度やページビュー数(一度の滞在で読まれるページ数)、コンバージョン率(売り上げ成果率)が低下するという結果が出ています。つまり、それだけ表示速度が売り上げに影響を与えているということです。

また、検索エンジンの Google は、表示速度が遅いページをユーザビリティが悪いと判断して、検索順位を下げることもありますが、これも非常に痛いです。検索上位と下位では、訪問数に大きな差がでますので、売り上げ低下に直結します。

表示速度に影響が出なくても、管理画面等が非常に重くなる、という現象が発生することもあります。この場合もサイトの更新作業などに支障がでますので、こちらもできるだけ避けたいところです。


3. サイトのデータが消えた!

その昔は HTML によるサイトが中心でした。一般的に HTML サイトの場合、基本的には HTML データをローカルで編集するため、サーバー側のデータが消失したとしても、サイトのデータ自体は手元に残っているというケースが多かったと思います。

しかし、近年サーバーの処理能力が上がるとともに、サーバー側でサイト構築の処理をする WordPress を筆頭とする CMS(コンテンツマネジメントシステム)が主流になってきました。

もちろん、CMS の場合もデータのバックアップを行うことは可能ですが、基本的にデータ自体はサーバー側にありますので、バックアップを行わなければ、万一サーバーにトラブルが発生して、データが消えてしまった場合には復活することはできません。

レンタルサーバーの提供元もこのような状況は十分把握していますので、データのバックアップ体制についても非常に重視するようになってはきています。

しかし、現実的には非常にシビアなトラブルが発生しています。

レンタルサーバー会社の老舗の一つであり、ソフトバンクという大会社のグループ企業でもある「ファーストサーバー」で、サーバーのデータが消失したうえ、復元もできなくなるという大規模なトラブルが発生しました。

基本的にはヒューマンエラーが原因だったようですが、事件発生前、ファーストサーバーはデータのバックアップは常に行っており、サーバーのデータを物理的に別のサーバーにバックアップしているとサイトにも公開していました。

ところが、蓋を開けてみると実際には同じサーバーの中にしかバックアップしていなかったため、同サーバーのデータがすべて消えてしまったことにより、最終的には「データの復旧は不可能」であると発表せざるを得ない状況になってしまいました。

今や社会全体が完全に Web に依存していますから、データの保管・管理がどれほど重要なことかは誰にでも理解できることです。

今の時代にこんなことは起こらないだろうと思いがちですが、この事件が発生したのは 2012年。たった数年前の話なのです。

また、小規模なデータ消失事件は、今でも日常的に発生しています。


4. サイトが改ざんされた!

ニュースなどで見かけることがあるハッキングやサイトの改ざん事件ですが、対象は米国国防省や大手企業のシステムなどで、映画か何かで見たかのように他人事で終わってしまうことが多いと思います。

ところが、こんなサイト一体誰が見るのだろう、というような全く無名のサイトまでが標的にされた、大規模な乗っ取り事件が発生しました。こちらもレンタルサーバーでは大人気のサーバーで、最大手の一つ「ロリポップ」と「interQ」で実際に起こった事件です。

WordPress の脆弱性を狙った攻撃で、サイト名等が改ざんされたり、画面が真っ白になるという事件でした。格安のレンタルサーバーの老舗の一つであり、ユーザー数最多を誇るレンタルサーバーで発生した事件であるがゆえに、大きな波紋を投げかけました。

こちらも事件が発生したのがほんの数年前、2013年の話で、管理人自身も経験したトラブルです。


5. サポートから返信が来ない!

上の 4つほど致命的な問題ではありませんが、初心者の場合、いざWebサイトを構築しようとしても、サポートがないと厳しいケースが結構あります。今話題の WordPress の設定なども、初めて手掛ける場合は結構苦戦することが多いと思います。

以前に比べて、よくある質問(FAQ)が充実しているレンタルサーバーが増えてきてはいるものの、肝心なことが掲載されていないために、そこで作業が中断してしまうようなこともよくあります。

また、こちらはもっと致命的ですが、支払いが終わっているのにも関わらず、サーバー上のデータが削除されてしまう、といったようなことも、いまだに口コミなどでよく見かけるトラブルの一つです。

そのようなときにメールの窓口しかないような場合、返信があるまでやきもきしたまま待たされることになります。

最近は電話サポートを行う会社も増えてきてはいますが、やはりメールだけのサポートしか行っていない会社や、土日祝日は休みというようなところもまだまだ見かけます。

そして、問い合わせをしてもサポートからの返信が来ないというようなことも、残念ながら、まだ現実的に起こっているようです。


6. 乗り換え・引っ越しが面倒くさい!

サイトが成長してきてアクセス数が伸びてくると、使用しているレンタルサーバーによるアクセス制限やサーバーへの過負荷対策により、表示エラーが出て、サイトが表示できなくなることがあります。

そうなると、いよいよサーバーの引っ越しを検討せざるを得ません。

しかし、特にサイトを複数持っていたり、WordPress などの CMS を利用している場合、サーバーの移転は非常に手間がかかるものです。また、技術的には問題なくても、移転先のサーバーを探したり、契約をしたりなど手続きから、実際の手続きをしていると、それだけ他の仕事にかける時間が無くなってしまうため、想像以上になかなか重い腰を上げることができないものです。

そういった場合に、データの移動をせず、プラン変更だけで問題をクリアすることができれば、非常に楽ですし、より本来のビジネスに注力することができます。

データの移動が不要な場合、確かにサーバーのスペック自体は変わらないことが多いですが、転送量やサーバー容量は増えますし、レンタルサーバーによっては随時スペックの増強を図っていますので、最終的にスペックも上がり、長期間乗り換えをせずにすませることも可能です。


7. 余計な支払いが発生した!

レンタルサーバー会社も選びきれないほど非常に沢山あり、競争が激しいため、各社は価格競争やスペックの増強などの努力を常に続けています。

そのような中でも、ほとんどの会社ではすでに無料になっているオプションが有料のままだったり、年払いしかできないような会社もあります。

年払いであれば申し込み時にわかるのでまだいいのですが、オプション関係になると、契約後に気づいてがっかりするようなことにもなりかねません。

各社は独自の戦略をもとに、様々な形で売り上げをあげようとしていますので、オプションにするということが悪いとはまったく思いませんが、使う側の身になってみると、トータルでは多少高いサーバーのほうが安かった、と思うこともありえます。

そのため、金銭が絡むことに関しては、事前に細かい点もチェックしておき、あとで後悔しないようにしておく必要があります。

また、今やお試し期間があるのが一般的になっているレンタルサーバーですが、中には試用期間が一切ない会社もあります。

大企業やその関連会社提供のサーバーの中には、試用期間がないだけではなく、最低利用期間が 6か月や12か月というところもあります。

そういったレンタルサーバーは大企業の信頼性を売りにしていることが多いため、安心できることも多いのですが、特に共用サーバーの場合は、同居する人たちの影響を多分にうけますので、Webサイトの表示速度や負荷状況など、実際に使ってみないとわからないことが沢山あります。

そのため、できればお試し期間の間に使い勝手なども含め、十分確認をしたうえで、自分が納得したサーバーと契約したいものです。


7つの罠に陥らないために

残念ながら、すべての人にふさわしい「完璧なサーバー」というものはありません。仕様一つとっても、同じ価格帯のレンタルサーバーだとしても、どこかが優れていれば、どこかが劣っています。

ただ、全体的なバランスを見たり、自分の重視する点と照らし合わせることで、「よりよいレンタルサーバー」を見つけることは可能です。

まずは、以上に挙げた「7つの罠」に陥らないために、以下の7点を重要なチェックポイントとして、各レンタルサーバーをチェックしてみましょう。

レンタルサーバー選びで重要な7つのポイント
7つのポイント チェックする主なポイント
安定性 稼働率・SLA / 障害 / 転送量 / 同時アクセス数制限 / バックボーン / 収容人数
表示速度 サーバースペック / 回線速度 / PHPモード / 高速化処理
バックアップ ユーザー用バックアップ有無 / 手数料有無 / バックアップの範囲 / バックアップ処理方法
セキュリティ WAF / IPS・IDS / SSL / FTPセキュリティ / メールセキュリティ
サポート サポート体制 / 営業時間 / マニュアル / FAQ
プラン変更 プラン変更有無 / 変更手数料 / 変更時のデータ移動有無
料金関連 オプション料金 / 最低利用月 / 試用期間 / 割引率



そのうえで、自分の実現したい内容から、ディスク容量・マルチドメイン数などの必要な機能をチェックし、自分に最適なレンタルサーバーを選ぶといいでしょう。

「7つのポイント」の詳細は、「7つのポイントでチェック!ポイント別 レンタルサーバー比較」の各記事で確認できます。

以上を参考に、ぜひ後悔しないレンタルサーバーを選んでいただければと思います。