3.バックアップ-ネットビジネスにおいて死活問題に繋がるデータのバックアップ方法は?

本コンテンツ内で紹介するサービスの一部または全部に広告が含まれています。
バックアップで選ぶレンタルサーバー

「TECH TREND」内で記載している価格は全て税込み表記です。 本コンテンツ内で紹介するITサービスの一部または全部に広告が含まれています。正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。 ※このサイトに表示している広告については、広告掲載基準をご覧ください。 ※本サイトはウェブココル株式会社が運営しております。  ※当記事のご意見は、お問い合わせフォームからお寄せください。

バックアップで選ぶレンタルサーバー

ネットビジネスにおいて、サイトやメールのデータを安全に確保すること、すなわちバックアップは、ビジネスの死活問題に繋がる重要な問題です。

データのバックアップは、基本的にサイトの運営者自身の責任に負うものです。

しかし、うっかり最新データをバックアップし忘れてしまった時に限って、サーバーに障害が発生してデータが消えてしまう、ということもあり得ます。

そのような場合に、レンタルサーバー側がユーザーのデータをどのように保守・管理しているか、ユーザーの利益を守ってくれるかは、非常に重要なポイントと言えます。

また、あってはほしくないことではありますが、過去のファーストサーバーなどの例があるように、レンタルサーバー側のトラブルでデータを消失し、復旧できなくなってしまうことも実際にあります。

そのため、レンタルサーバー側が障害などに備えて、普段からどのようにデータのバックアップ等を行っているか、またユーザーに対してどのような対処を行ってくれるのかを順に確認してみましょう。

目次

データの冗長化

サーバーというのは、私達が日常使用しているパソコンと同様、ある意味消耗品に過ぎません。ですから、事前にトラブルの予兆が見られることもありますが、いつ問題が発生して停止してしまうか、またデータが復旧できなくなるかわかりません。

そのため、通常サーバー内のデータは、一つのサーバーが停止してしまっても、サービスの提供を続けられるよう、冗長化(システムの一部に何らかの障害が発生した場合にも、システムの機能を維持できるようにバックアップを配置すること)が行われています。

一例としては、「ミラーリング」と呼ばれる形式で、全く同じ状態のサーバーを別途用意し、トラブル発生時には即座に切り替えられるようにする方法があります。多くの共用サーバーの場合、データのミラーリングは同じサーバー内に用意されていることが多いようです。

そして、そこからさらに、物理的に隔離されたバックアップ専用のサーバーにも同じデータをバックアップするような体制になっています。(このバックアップ作業の頻度は、レンタルサーバーにより異なりますが、およそ1日1回程度)

このサーバーのデータを冗長化する方式を「RAID(レイド/ライド)」と呼びます。

RAIDには非常に様々な方式がありますが、レンタルサーバーでは主に「RAID1(ミラーリング)」「RAID6(ダブルパリティ)」「RAID10(ミラーリング+ストライピング)」のいずれかが適用されています。レンタルサーバーの仕様一覧の中で、この「RAID」の方式を確認することができるところもあります。

RAIDの仕組みは、若干複雑でわかりにくい部分もありますので、ここでは詳しい説明は省きます。興味のある方は詳細に説明されているサイトをご覧ください。

以上のように、データをどのように冗長化しているか、バックアップ用のサーバーは物理的に別のサーバーなのか、また RAID の方式はどうなっているか、などを見ることで、データの安全性をどのように確保しているかをチェックすることができます。

ただ、ファーストサーバーのように、別サーバーにバックアップしているといっていたのに、実際は同じサーバー内にしかバックアップしていなかった、という可能性は否定できません。そこは会社全体の信頼性もあわせてチェックしていく必要がありますね。

サーバーの監視体制

データの安全性という点では、データセンターの状況もチェックしてみるといいでしょう。

データセンターは、ユーザーが利用するサーバーが保管されている場所のことです。

このデータセンターは、主に自社で運営しているケースと外部のデータセンターに委託している場合があります。

レンタルサーバー専門の会社で自社のデータセンターを持っているところでは「さくらインターネット」が有名ですが、「カゴヤ」なども自社のデータセンターを持っています。また、GMO 系列の会社も GMO のデータセンターを使用しています。

もちろん、「WebARENA」の NTT PC Communications をはじめ、NTT や KDDI などの大規模なインフラを持っている通信関連の会社も自社のデータセンターを運営しており、関連会社のレンタルサーバーに利用しています。

自社でデータセンターを持っていない会社は、このような大規模なデータセンターの中に自社用のサーバーを置いてもらう形で間借りしてもらっているわけです。データセンターの運営には多大なコストがかかりますので、自社で持つよりは、間借りすることでコストを削減する狙いもあると思います。

大手のデータセンターであれば、365日24時間体制で有人監視が行われています。

また、レンタルサーバー会社によっては、間借りしているデータセンターに自社の要員を派遣して監視させているところもありますので、外部に間借りしていたとしても自社の要員が常駐していれば、障害対応なども迅速に行ってくれそうな感じがしますね。

以上のように、データセンターが自社なのか間借りなのか、監視体制はどうなっているのか、などをチェックすることで、より安全性が高いかどうか見えてくるものがあります。

ユーザーのためのバックアップ

次に、ユーザーが万一トラブルを起こした際にデータの復旧ができるように、バックアップデータの提供を行っているかどうか、について説明します。

いずれのレンタルサーバー会社も、前述のように自社の信用や利益を損なわないために、データのバックアップ自体は常時行ってはいます。しかし、中にはそのデータをユーザーに提供していない会社もあります。

確かに冒頭でも書いたように、資産としてのデータは、自分自身で管理すべきものです。一昔前までは、これが常識でした。

一方、ユーザー側としては、万一自分自身の失敗でデータを消してしまったような場合にも、レンタルサーバー側が救済をしてくれたほうが、当然ありがたいわけです。

定期的にバックアップはしていても、ちょっとしたタイミングのずれで最新のデータが残っていない、ということはよくあることです。

ですから、ユーザーに対してバックアップデータの提供を行っているかどうかも、サーバーを借りるうえで大事なポイントと言えます。

これがない場合、万が一トラブルが発生してデータが消失した際に、サーバー会社に泣きついたとしても、残念ながら何もしてもらえることはなく、自分の持っている古いバックアップデータから復旧するしかなくなります。

また、これはユーザーのミスによるトラブルに限ったことではなく、レンタルサーバー会社側で発生したトラブルであっても、最終的に復旧可能などこにもデータがなければ、最新のデータで復旧してくれないということがありますので、十分な注意が必要です。

実際に以下のように小規模な障害でのデータ消失は、今でも日常的に発生しています。
https://lolipop.jp/info/obsta/5195/

バックアップ自体の料金

ユーザーにバックアップを提供してくれる会社の中でも、バックアップのサービスの提供方式はバラバラです。

まず、ユーザーのためにバックアップを行うこと自体に対して課金をするところ(ロリポップなど)、また一定の容量までは無料だけれど、それ以上は有料になるところ(カゴヤ)などがあります。

この場合、たとえ月額料金が安くても、結局はそのオプション料金も月額料金に含まれるようなものなので、トータルの料金で考える必要があります。

また、バックアップ自体は無料でも、復元に料金が発生する会社があったり(エックスサーバー)、バックアップ自体と復旧の両方が無料のところもあります。

もちろん、いずれも自分自身で常時バックアップができているのであれば、どちらも利用する機会はないので、気にする必要はありませんが、もしバックアップ機能に期待するのであれば、月額料金が発生するオプションのあるサーバーよりは、自分でバックアップを取るという前提で、復元のみに料金が発生するほうが安く済むかもしれません。

バックアップ対象のデータ

次に、バックアップしてくれるデータが何処までかを確認する必要があります。

・Webデータのみバックアップ
・Webデータ+データベース
・Webデータ+データベース+メールデータ

など様々です。

バックアップしているデータが異なるのは、Web のデータとメールのデータを別のサーバーで運用しているなど、各社のサーバー自体の運用の仕方に依存するところがあると思われます。

ただ、メールのデータまでバックアップしてくれる会社は少ないのですが、メールを仕事として利用している場合、万が一データが消失してしまうと、ビジネスにとって命取りになってしまいます。

最近は IMAP によるメールの利用がメインになってきていますので、ローカルのパソコンにメールデータを残していないことも多いと思います。その場合は、ビジネスに大きな影響があることが考えられますので、独自ドメインでのメールの運用も考えている人は、そういった視点でもチェックするといいでしょう。

バックアップの方法と世代

バックアップの方法にも違いがあります。

自動で毎日バックアップしてくれるところもあれば、自分自身でバックアップする間隔日時を設定する必要があるところもあります。

また、例えば過去7日分であったり、複数世代のバックアップを保存してくれたりなど、複数のバックアップを取ってくれるところもあれば、過去1日分のみの場合もあります。

複数のバックアップがあるメリットは、データを消失してしまったケースより、記事を間違って修正してしまったりしたときに役に立ちます。自分が戻したい時点の状態に戻せるからですね。

さらに、バックアップできる容量が自分のディスク容量に含まれることが多いですが、ディスク容量に関わらず、バックアップ容量の上限が決まっているところもあります。例えば、カゴヤの「S21」プランのように、無料では10GBまで、かつ1世代のみ、と限定されているケースもあります。

バックアップが充実しているおすすめのレンタルサーバー

ユーザー用のバックアップが充実しているのは、最もバランスがよく、総合力で1位のエックスサーバーです。

復旧の際には料金が発生しますが、Web・データベース・メールの全データをバックアップしてくれている会社はあまりありません。

また、メールデータまでバックアップしてくれるもう一つのサーバーは、NTT PC Communications の WebARENA SuiteX

複数世代のバックアップになると有料になりますが、1世代であれば容量無制限でバックアップしてくれ、また復旧時にも料金は発生しませんので、おすすめです。

[rank id=3]

Want to share?

WRITER

TECH TRENDSは最新のインターネット・ウェブ業界情報について発信するナビゲーショナルメディア。IT業界におけるビジネス情報をはじめ、Web3.0、AIなどにも精通するメンバーが集まり、質の高い確かな情報を発信します。

目次