PHPのパフォーマンスをベンチマークテストで比較【2017年版】(PHP Benchmark/PHPspeed)



現在、世界で最も使われている CMS(コンテンツマネジメントシステム)は WordPress ですが、その WordPress で用いられている言語が PHP です。

PHP の処理におけるパフォーマンスは、WordPress の表示速度などのパフォーマンスにも大きく影響を与えるため、非常に重要だと言えます。

ただ、サーバーを単に使ってみるだけでは、体感的に速いとか、重いという印象を受ける程度で、実際にどこのサーバーがよりよいのかはわかりにくいところがあります。

そこで、昨年も実施したベンチマークツールを利用したテストで、各レンタルサーバーにおける PHP のパフォーマンスをチェックし、比較してみたいと思います。



PHP Benchmark でレンタルサーバー各社のパフォーマンスを比較【2016年版】


PHP のパフォーマンスを 2つのツールでチェック

今回、PHP のパフォーマンスをチェックするにあたり、以下の 2つのツールを利用しました。


  • PHP Benchmark
  • PHPspeed



PHP Benchmark は、FREE Web Hosting が配布しているスクリプトで、PHP を用いた単純な計算と文字列を用いた処理を実行させ、その実行速度からサーバーの性能を確認できるツールです。基本的に、データベースなどが絡まない PHP 自体の処理能力を確認するものと言えます。



また、PHPspeed は、PHP を利用して MySQL を含めたパフォーマンスをチェックしたり、データの読み書きテストなどを含めた、全部で 6つのテストを実施できるツールです。

この 6つのテストのうち、PHP の処理に関する以下の 2つのテストのデータをあわせて比較します。

  • Synthetic PHP BenchMark(PHP 総合ベンチマーク / PHP Benchmark に近い)
  • Real World PHP Test(PHP の実環境テスト / 4つの様々なサイズの PHP ページを読み込む時間を計測)



以上 3つの、PHP に関するテスト結果を比較してみました。


ベンチマークの実施概要

まず、できるだけ同じ条件でサーバーの実力をチェックするため、PHP のバージョンは PHP5.6 に統一して実施しています。(WebARENA のみ、まだ PHP5.6 が利用できないため、PHP5.3)

実施時間に関しては、平日に時間帯を変え、2~3時間おきに全部で 8回実行しました。

レンタルサーバーは昼間と夜間帯では負荷が異なることが多く、実際のばらつきなどもチェックするために、朝の9時~夜の2時にかけて、となるべく広い時間帯になるよう実施しています。



PHP Benchmark は、1回につき、5秒のインターバルを開けつつ、全部で12回同じ処理を実行し、各処理においてかかった時間を表示します。

この12回の結果の中で、ばらつきを除いた「最大値と最小値を除いた中間値にあたる 10回の平均値」を比較します。

結果の数値は、1つの処理を行うのにどれだけ時間がかかったかを示しているため、数値が小さいほうがよりパフォーマンスが高いことを示しています。

一方、PHPspeed の 2つのテスト結果は逆で、数値が大きいほうがよりパフォーマンスが高いことを示します。


PHP のパフォーマンス比較

では、テストの結果を見てみましょう。

各ツールは全く違うテストを行っており、結果の出し方も異なっているため、横並びで比較することはできません。そのため、まず各ツールの結果に対しての順位をそれぞれ出し、次にその順位をトータルでランク付けして、「総合順位」としました。

総合順位の順番に上から並べています。


PHP benchmark 順位 Synthetic PHP BenchMark 順位 Real World PHP Test 順位 合計 総合順位
カゴヤ 12.1 2 19851 1 24483 1 4 1
WADAX 11.1 1 15410 3 15598 3 7 2
エックスサーバー 25.1 9 16930 2 18703 2 13 3
sixcore 15.6 3 14029 4 13200 6 13 3
heteml 20.5 7 11782 5 14590 5 17 5
mixhost 20.6 8 11244 6 14680 4 18 6
CPI 18 4 10912 7 9704 9 20 7
クローバー 20 6 10019 9 9990 8 23 8
さくら 18.6 5 10577 8 7070 12 25 9
ロリポップ! 34.8 12 8941 10 11811 7 29 10
WebARENA 28.1 10 7829 11 8726 10 31 11
お名前 28.6 11 6496 12 8375 11 34 12
Bizメール 44.3 13 3936 14 4302 13 40 13
iCLUSTA+ 81.1 15 4230 13 1121 15 43 14
ABLENET 57.5 14 3781 15 4080 14 43 14



結果としては、昨年も高いパフォーマンスを出していた、カゴヤと WADAX が今回も 1位と 2位になりました。

エックスサーバーは少し落ちましたが 3位、そしてサーバー環境を一新した heteml が 5位に躍進しています。

今回は、新たに sixcore と CPI を加えましたが、やはり上位層のサービスだけあり、いずれも高いパフォーマンスを見せてくれています。また、昨年新規にサービスを開始した mixhost も加えましたが、なかなか検討していますね。



逆に、昨年上位にいた ABLENET が下位に落ちてしまいました。スペックは同じはずなので、収容サーバーのアタリがちょっと悪かったのかもしれません。

それ以外には、上位陣と下位陣の大幅な入れ替えはないですね。


PHP のパフォーマンスをベンチマークテストで比較 まとめ

以上、PHP のパフォーマンスをベンチマークテストで比較した結果を見てみました。

新たに加えたレンタルサーバーもあるので、少しわかりにくいかもしれませんが、上に書いたように、去年と比較して上位層と下位層が入れ替わったのは heteml と ABLENET だけでした。

(公表している限りで)この 1年で大きくサーバー環境が変わっているのは、エックスサーバーと heteml だけなので、妥当な結果だと言えるでしょう。ABLENET が下がった理由は、はっきりわかりませんが、やはりアタリが悪かっただけのように思います。



また、今回はできるだけサーバー自体の実力を見るために、主流ではなくなりつつある PHP5.6 を使用していますが、パフォーマンスの高い PHP7 以降のバージョンだと、また結果は異なってきますので、実際に使う場合にはまた違った結果になると思います。



なお、実際にレンタルサーバーを利用する上では、PHP を単独で利用することはほぼありませんので、データベースや Webサーバーなどを加えた、トータルでのパフォーマンスを見てサーバーを選ぶことが大事です。

サーバートータルでのパフォーマンス結果は、以下に掲載していますので参照してみてください。



レンタルサーバーのベンチマーク総合評価ランキング【2017年版】