「heteml(ヘテムル)」v.s.「ロリポップ(エンタープライズ)」徹底比較



ポップなビジュアルで、若い層を中心に人気の高い「GMOペパボ株式会社」が提供するレンタルサーバーである、「heteml(ヘテムル)」「ロリポップ!」。わかりやすさ、使いやすさという点でも、非常に高い評価を得ています。

元々は「低価格帯のロリポップ」、「高機能で上級者向けの heteml」という形で差別化していた 2つのサービスですが、ロリポップがビジネス向けの「エンタープライズプラン」をリリースしたことや、サーバーのスペックやサービスの変化などにより、heteml の位置づけが微妙になってきました。

では、今ネットビジネスで利用するとしたら、heteml とロリポップ、どちらのレンタルサーバーがいいのでしょうか。

今回は同じ会社のサービスである、「heteml」と「ロリポップ(エンタープライズ)」の詳細を徹底比較してみたいと思います。



なお、2016年11月1日の heteml サーバー環境一新等に伴い、以下を一部書き換えました。heteml のリニューアルの内容とパフォーマンスの変化の詳細は、以下のページを参照してください。

  • heteml(ヘテムル)が復活!新サーバー環境と「モジュール版PHP」を徹底検証

  • heteml とロリポップ(エンタープライズ)の概要を比較

    まずは、hetemlロリポップ(エンタープライズ)の料金や主な仕様を比較してみましょう。

    heteml ロリポップ(エンタープライズ)
    月額費用(税抜) 1,000円~ 2,000円~
    初期費用(税抜) 3,950円 3,000円
    ディスク容量 256GB 400GB
    マルチドメイン数 無制限 無制限
    データベース数 100個 50個
    WordPress簡単インストール
    お試し期間 15日間 10日間
    キャンペーン 初期費用無料・全期間月額1,000円 など 初期費用無料・月額料金3か月無料 など



    まず、月額料金に 2倍の差があり、ディスク容量もほぼ 2倍に近い差があり、値段と見合った仕様になっている感じです。

    一方、データベース数は heteml がロリポップの倍の100個まで作成できます。データベースを大量に使う使い方をする場合は、heteml のほうがいいということになります。

    ただ、月額料金についてはいずれも最安値ですが、heteml の月額 1,000円は 36か月払いでの場合です。12か月契約だと月額 1,500円になるので、ロリポップの12か月で2,000円に対して 1.5倍ということになってしまいますね。(ロリポップは 3か月までは2,300円、6か月以上でも 2,000円までしか割り引かれません)



    GOMペパボは、昔から年中キャンペーンを実施していますが、初期費用も無料になるキャンペーンを行っています。

    また、heteml は36か月以下の契約でも月額 1,000円になるキャンペーンを最近実施しましたし、ロリポップは月額費用が3か月間無料になるなどのキャンペーンも行っていますので、キャンペーンのタイミングで申し込むとかなりお得になります。


    7つのポイントでスペックやサービスを比較

    では、次に「レンタルサーバー選びの 7つのポイント」に沿って、heteml とロリポップ(エンタープライズ)のスペックとサービスの詳細を比較していきましょう。

    安定性

    heteml ロリポップ(エンタープライズ)
    稼働率 非公開 99.99%
    SLA なし なし
    転送量上限 120GB 無制限
    バックボーンの回線 非公開 非公開

    ロリポップの稼働率は高く 99.99%以上ですが、heteml は非公開です。

    転送量はロリポップが無制限ですが、同じサーバーのユーザーも無制限で利用できるということなどを考え合わせると、必ずしも無制限が有利とも言えません。heteml は 2016年6月に 120GBに増量しましたが、通常の利用の範囲であれば、これでも十分です。

    表示速度

    heteml ロリポップ(エンタープライズ)
    CPU 20コア(40スレッド) 6コア(12スレッド)
    メモリ 128GB 32GB
    PHP モジュールモード/CGIモード モジュールモード/CGIモード
    その他 オールSSD SSD(データベースサーバー)

    CPU は 20コア、メモリは 128GBと heteml が非常に高いスペックになりました。2016年11月時点では、同価格帯のレンタルサーバーで最高レベルのスペックです。

    一方、PHP のモードはともにモジュールモードを利用でき、高速な処理が期待できます。サーバーのハードディスクは、heteml がすべて SSD、ロリポップはデータベースサーバーのみ SSD を採用しています。

    トータルでは heteml が優勢ですね。

    バックアップ

    heteml ロリポップ(エンタープライズ)
    バックアップ期間・サーバー 7世代/バックアップ専用サーバー 7世代/バックアップ専用サーバー
    バックアップ対象 Webデータ・データベースデータ Webデータ・データベースデータ
    料金 有料 無料

    バックアップに関しては、どちらも同じ仕様です。ユーザー用自動バックアップ機能詳細比較でも書いたように、システムも全く同じものを使用しています。

    ただ、月額料金に関しては、ロリポップは無料、heteml が有料になっています。ロリポップも下位プランであれば有料なのですが、そこはビジネス向けの最上位プランということで、無料になっています。

    セキュリティ

    heteml ロリポップ(エンタープライズ)
    WAF あり あり
    IDS/IPS なし なし
    その他 なし なし

    セキュリティに関しても全く同じで、ユーザーレベルでの WAF は提供していますが、IPS・IDS は用意されていません。

    サポート

    heteml ロリポップ(エンタープライズ)
    電話 平日のみ 平日のみ
    メール 356日24時間営業 356日24時間営業
    チャット なし 356日24時間営業

    サポートに関しては、どちらも電話とメールが使えます。一方、ロリポップにはチャットもあり、便利ですね。

    また、メールサポートの質については、どちらも割と高いと思いますが、レスポンスは比較的ロリポップのほうが速いです。

    体制的にはおそらくどちらも同じサポートセンターで行っているのではないかと思われますので、品質にはそれほど差はないのではないかと思われます。

    プラン変更

    heteml ロリポップ(エンタープライズ)
    変更可否 なし(1プラン) 契約後は上位のみ
    データ移行 不要

    プラン変更は、heteml が 1プラン、ロリポップは契約後下位プランへの変更ができないため、エンタープライズプランであれば実質 1プランと同じです。

    オプション料金関連

    heteml ロリポップ(エンタープライズ)
    オプション バックアップ 特になし

    ロリポップは特に常時オプション料金が発生する機能はありませんが、heteml は前述のバックアップを利用すると月額料金が発生します。

    7つのポイント総合評価

    以上の仕様に対する比較をまとめると、以下のような感じです。

    安定性 ややロリポップ優位
    表示速度 やや heteml 優位
    バックアップ ロリポップ
    セキュリティ 引き分け
    サポート ロリポップ
    プラン変更 引き分け
    オプション料金 ロリポップ



    トータルで「7つのポイント」に関しては、ロリポップのほうがやや有利という評価になりそうです。価格差の分がありますので、まあ妥当なところでしょう。

    なお、一点補足しておきたいのですが、ロリポップの場合、1メールアドレスごとの容量上限が 2GBしかありませんので、特にビジネスユースであれば注意しておきたいところです。(heteml は10GB)

    エンタープライズプランは非常に高スペックですが、この辺りは他の下位プランに引きずられている感じなので、ビジネス向けを謳うのであれば善処してほしいところですね。


    サーバーのパフォーマンスで比較

    次に、各種ツールやベンチマークテストで調査した結果をもとに、各サーバーの実際のパフォーマンスを比較してみましょう。

    まずは、Webサーバー の安定性をチェックした monitis の結果から。

    なお、上記ページの monitis のデータは heteml がオールSSD化やサーバー環境を一新する前のデータで、以下は新サーバーでのデータです。

    安定性(monitis)

    heteml ロリポップ
    最速(ms) 375 5276
    最長(ms) 682 5999
    差分(ms) 307 723
    応答なし回数(日本) 0 5
    順位 2(前回のデータでは10) 4

    (最速・最長・差分はレスポンスの速度 数値が小さいほうが速い/応答なし回数は、レスポンスが返らなかった回数 0に近いほうが安定)

    レスポンスに関しては、ロリポップが若干応答速度のばらつきは見られましたが、それほど大きな差は見られませんでした。一方 heteml は、今回のサーバー環境刷新で応答速度・安定度共に劇的に向上しています。

    そのため、最終的な順位としては 13サーバー中、ロリポップが 4位で、heteml は前回の 10位から 2位へと大きくアップしました。

    Webサーバーのパフォーマンス(ApacheBench)

    次に、Webサーバーの OS である Apache のパフォーマンスをチェックする、「ApacheBench」の結果を見てみましょう。

    なお、これ以下のデータは heteml のサーバー環境リニューアル後のデータで、順位も過去の調査結果に当てはめたものです。

    HTTP Requests per second heteml ロリポップ
    平均 345 376
    順位 7 6
    PHP Requests per second heteml ロリポップ
    平均 346 383
    順位 2 1

    (数値は「1秒間に処理したリクエスト数」 値が大きいほうがパフォーマンスが高い)

    まず、単純な HTML サイトのパフォーマンス(HTTP Requests per second)も WordPress などで作成されたサイトのパフォーマンス(PHP Requests per second)も、ともにほぼ同様のパフォーマンスを見せています。

    特に PHP のパフォーマンスは他のサーバーと比べても非常に高い数値が出ており、上位 2位を占めました。

    PHP の処理速度(PHP Benchmark)

    次に PHP の処理速度をチェックする、「PHP Benchmark」の結果です。

    heteml ロリポップ
    12回の平均値 13 20.4
    中間値の平均値 13 20
    最大値と最小値の差 1 24
    総合順位 1 7

    (数値は「既定の処理が終わるまでに要した時間」 値が小さいほうがパフォーマンスが高い)

    こちらは、リニューアル後の heteml が非常に高いパフォーマンスを出しました。しかも、ブレも少なく、1位のエックスサーバーに匹敵する数値になりました。

    PHP 単独の単純な処理では、ロリポップもそれほどパフォーマンスは出ないようですね。

    サーバーのパフォーマンス総合評価

    同じ会社ということもあり、Webサーバーのチューニング等が似通っているからか ApachBench に関してはほぼ同じような結果が出ましたが、Monitis と PHP Benchmark の結果では heteml の新環境で非常に高い安定性と処理速度が見られました。

    以上から、サーバーの実際のパフォーマンスにかんしては、heteml のほうが有利と言えるようです。


    「heteml」v.s.「ロリポップ(エンタープライズ)」徹底比較まとめ

    以上、heteml とロリポップ(エンタープライズプラン)の仕様・サービス、そして実際のパフォーマンスを比較してみました。

    サーバー自体の実際のパフォーマンスから、安定性・処理速度などは現時点で新環境の heteml が有利のようです。



    ただ、上でも触れていますが、各サーバーにはいくつかネックになるポイントがありますので、こういった点も考慮する必要があります。

    ・heteml はバックアップにオプション料金が発生する
     (バックアップを使うのであれば、ロリポップと同等以上の月額費用がかかる)
    ・ロリポップはメールアドレスごとの容量上限が少ない

    また、heteml は元々クリエイター向けということで、一部でロリポップよりも細かい設定が可能です。ロリポップはエンタープライズプランであっても、他のプランと同様のプラットフォームなのでやはり初心者向けの仕様で、若干ではありますが、それほど細かい設定ができないところがあります。



    以上の点を踏まえると、最終的には

    ・バックアップオプションを利用せず、やや中級者以上向けの機能も使いたいなら heteml
    ・バックアップオプションを利用し、基本的な機能だけで簡単に使いたいのであれば ロリポップ!

    という選択になるでしょう。



    heteml(ヘテムル)の検証・評価レビュー
    ロリポップ「エンタープライズ」の検証・評価レビュー