ペパボ対決!heteml(ヘテムル)v.s.ロリポップ!(エンタープライズ)徹底比較



ポップなビジュアルで、若い層を中心に人気の高い「GMOペパボ株式会社」が提供するレンタルサーバーである、「heteml(ヘテムル)」「ロリポップ!」。わかりやすさ、使いやすさという点でも、非常に高い評価を得ています。

元々は「低価格帯のロリポップ!」、「高機能で上級者向けの heteml」という形で差別化していた 2つのサービスですが、ロリポップ!がビジネス向けの「エンタープライズプラン」をリリースしたことや、サーバーのスペックやサービスの変化などにより、heteml の位置づけが微妙になってきました。

では、今ネットビジネスで利用するとしたら、heteml とロリポップ!、どちらのレンタルサーバーがいいのでしょうか。

今回は同じ会社のサービスである、「heteml」と「ロリポップ!(エンタープライズ)」のサービスとサーバーのパフォーマンスの詳細を、独自調査データを交えて徹底比較してみたいと思います。



2016年11月の heteml サーバー環境一新、および 2017年10月の料金プランリニューアルに伴い、以下を一部書き換えました。

heteml(ヘテムル)が復活!新サーバー環境と「モジュール版PHP」を徹底検証


heteml とロリポップ!(エンタープライズ)の概要を比較

まずは、hetemlロリポップ!(エンタープライズ)の料金や主な仕様を比較してみましょう。


heteml
(ベーシック)
heteml
(プラス)
ロリポップ!
(エンタープライズ)
月額費用(税抜) 800円~ 1,600円~ 2,000円~
初期費用(税抜) 2,000円 2,000円 3,000円
ディスク容量 200GB 300GB 400GB
マルチドメイン数 無制限 無制限 無制限
データベース数 70個 100個 100個
WordPress簡単インストール
お試し期間 15日間 15日間 10日間



まず、以前は月額料金とディスク容量に 2倍の差があったのですが、heteml のプラン改定により、3つのプランで料金とディスク容量がほぼ比例する形になりました。(初期費用は、heteml のほうが高かったのですが、プラン改定時に 3,980円 → 2,000円に下がりました)

ただ、WordPress などに用いられるデータベース数は heteml プラスとロリポップ!が同じ100個で、初期費用と月額費用は heteml のほうが安くなりましたので、1サイトあたりのコスパは heteml のほうが高いです。(ディスク容量はロリポップ!のほうが多いですが、400GBを使い切れる人はほとんどいないでしょう)

なお、月額料金については最安値を挙げていますが、heteml の月額は36か月、ロリポップ!は 6か月(~36か月)での料金ですので、短期になると若干コスパは変わります。


7つのポイントでスペックやサービスを比較

では、次に「レンタルサーバー選びの 7つのポイント」に沿って、heteml とロリポップ!(エンタープライズ)のスペックとサービスの詳細を比較していきましょう。

安定性

heteml ロリポップ!(エンタープライズ)
稼働率 99.99% 99.99%
SLA
(品質保障制度)
なし なし
転送量上限 80GB(ベーシック)
120GB(プラス)
無制限
バックボーンの回線 非公開 非公開



サーバーの安定性を示す稼働率は、heteml が非公開でしたが、今は公開されており、どちらも 99.99%以上とわかりました。共用サーバーとしては、十分な値です。

サイトへのアクセス数に関係する転送量は、ロリポップ!が無制限です。一方、heteml は80GB / 120GB ですが、ベーシックプランの 80GBでもおおむね月間 150万PV(100万ページの表示)くらいまで耐えられますので、超大人気サイトでなければ十分です。

表示速度

heteml ロリポップ!(エンタープライズ)
CPU 20コア(40スレッド) 6コア(12スレッド)
メモリ 128GB 32GB
PHP モジュールモード/CGIモード モジュールモード/CGIモード
その他 オールSSD SSD(データベースサーバー)



サーバースペックに関しては、CPU が 20コア、メモリは 128GBと heteml が非常に高いスペックです。2016年11月時点では、同価格帯のレンタルサーバーで最高レベルのスペックです。

一方、PHP のモードは、どちらもモジュールモードを利用でき、高速な処理が期待できます。サーバーのハードディスクは、heteml がすべてのサーバーでより高速な SSD を適用済みです。ロリポップ!は、まだデータベースサーバーのみが SSD ですが、エンタープライズプランから順次オール SSD化を進めている最中です。



ロリポップ!エンタープライズプランのSSD化が進行中!そのパフォーマンスを検証比較

バックアップ

heteml ロリポップ!(エンタープライズ)
自動バックアップ
(無料)
×
バックアップ期間・サーバー Web・メール(14日間)
データベース(7日間)
バックアップオプション
(有料)
バックアップ期間・サーバー 7世代/バックアップ専用サーバー 7世代/バックアップ専用サーバー
バックアップ対象 Webデータ・データベースデータ Webデータ・データベースデータ
オプション料金 700円 無料



バックアップについては、以前どちらも「バックアップオプション」という形で有料のサービスを提供していたのですが、heteml が自動バックアップを無料で行うようになりました。

より高度なバックアップ(任意のタイミングでバックアップできるなど、細かい設定が可能)が行えるバックアップオプションは、引き続き両方のサーバーで利用できます。

ただ、こちらはロリポップ!が無料、heteml が有料になっています。ロリポップ!も下位プランであれば有料なのですが、エンタープライズの場合はビジネス向けの最上位プランということで、無料になっています。

ユーザー用自動バックアップ機能詳細比較

セキュリティ

heteml ロリポップ!(エンタープライズ)
WAF あり あり
IDS/IPS なし なし
その他 なし なし



セキュリティに関しても全く同じで、ユーザーレベルでの WAF は提供していますが、IPS・IDS は用意されていません。

サポート

heteml ロリポップ!(エンタープライズ)
電話 平日のみ 平日のみ
メール 356日24時間営業 356日24時間営業
チャット なし 356日24時間営業



サポート体制に関しては、どちらも電話とメールが使えます(ロリポップ!のライトプラン以下は、電話サポート利用不可)。一方、ロリポップ!にはチャットがありますので、電話をかけるのが面倒な人や地方の人(サポートの電話は東京「03」の番号)には便利です。

また、メールサポートの質については、どちらも割と高いと思いますが、レスポンスは比較的ロリポップ!のほうが若干速いように思います。

おそらくどちらも同じサポートセンターで行っているのではないかと思われますので、品質にはそれほど差はないのではないと思いますが、ロリポップ!のほうがユーザーが多いので、ロリポップ!のサポート担当者のほうが多いため、返信が早いのかもしれません。

プラン変更

heteml ロリポップ!(エンタープライズ)
変更可否 なし 契約後は上位のみ
データ移行 不要



プラン変更に関しては、heteml が 2プランに増えたのですが、まだプラン変更はできません。

一方、ロリポップ!は上位プランへの変更が可能ですので、最初は安いプランから始めて、アクセス数に応じて徐々に上のプランに変更するような使い方が可能です。

オプション料金関連

heteml ロリポップ!(エンタープライズ)
オプション バックアップオプション 特になし



ロリポップ!は、最上位プランということもあり、特に常時オプション料金が発生する機能はありませんが、heteml は前述のバックアップオプションを利用すると月額料金が発生します。

ただ、現在は無料の自動バックアップ機能が利用できるようになったため、バックアップオプションの利用は必須ではなくなりました。

7つのポイント総合評価

以上の仕様に対する比較をまとめると、以下のような感じです。

安定性 引き分け
表示速度 やや heteml 優位
バックアップ ややロリポップ!優位
セキュリティ 引き分け
サポート ややロリポップ!優位
プラン変更 ロリポップ!
オプション料金 ややロリポップ!優位



仕様から見える部分では、決定的な違いはありませんが、ロリポップ!のほうがやや有利という評価になりそうです。

なお、一点補足しておきたいのですが、ロリポップ!の場合、1メールアドレスごとの容量上限が 2GBしかありませんので、特にビジネスユースであれば注意しておきたいところです。(heteml は、10GB)

エンタープライズプランは非常に高スペックですが、この辺りは他の下位プランに引きずられている感じなので、ビジネス向けを謳うのであれば善処してほしいところですね。


サーバーのパフォーマンスで比較

次に、各種ツールやベンチマークテストで調査した結果をもとに、各サーバーの実際のパフォーマンスを比較してみましょう。

まずは、Webサーバー の安定性をチェックした monitis の結果から。

なお、上記ページの monitis のデータは heteml がオールSSD化やサーバー環境を一新する前のデータで、以下は新サーバーでのデータです。(プランが 1つの時のデータですが、2つのプランはサーバースペックに違いはないため、同じと考えています)

安定性(monitis)

heteml ロリポップ!
最速(ms) 375 5276
最長(ms) 682 5999
差分(ms) 307 723
応答なし回数(日本) 0 5
順位 2(前回のデータでは10) 4

(最速・最長・差分はレスポンスの速度:数値の小さいほうが速い / 応答なし回数はレスポンスが返らなかった回数:0に近いほうが安定)



レスポンスに関しては、ロリポップ!が若干応答速度のばらつきは見られましたが、それほど大きな差は見られませんでした。一方 heteml は、今回のサーバー環境刷新で応答速度・安定度共に劇的に向上しています。

そのため、最終的な順位としては 13サーバー中、ロリポップ!が 4位で、heteml は前回の 10位から 2位へと大きくアップしました。

Webサーバーのパフォーマンス(ApacheBench)

次に、Webサーバーの OS である Apache のパフォーマンスをチェックする、「ApacheBench」の結果を見てみましょう。

なお、これ以下のデータは heteml のサーバー環境リニューアル後のデータで、順位も過去の調査結果に当てはめたものです。

HTTP Requests per second heteml ロリポップ!
平均 345 376
順位 7 6
PHP Requests per second heteml ロリポップ!
平均 346 383
順位 2 1

(数値は「1秒間に処理したリクエスト数」 値の大きいほうがパフォーマンスが高い)



まず、単純な HTML サイトのパフォーマンス(HTTP Requests per second)も WordPress などで作成されたサイトのパフォーマンス(PHP Requests per second)も、ともにほぼ同じレベルのパフォーマンスを見せています。

特に PHP のパフォーマンスは他のサーバーと比べても非常に高い数値が出ており、上位 2位を占めました。

PHP の処理速度(PHP Benchmark)

次に PHP の処理速度をチェックする、「PHP Benchmark」の結果です。

heteml ロリポップ!
12回の平均値 13 20.4
中間値の平均値 13 20
最大値と最小値の差 1 24
総合順位 1 7

(数値は「既定の処理が終わるまでに要した時間」 値の小さいほうがパフォーマンスが高い)



こちらは、リニューアル後の heteml が非常に高いパフォーマンスを出しました。しかも、ブレも少なく、1位のエックスサーバーに匹敵する数値になりました。

PHP 単独の単純な処理では、ロリポップ!もそれほどパフォーマンスは出ないようですね。

サーバーのパフォーマンス総合評価

同じ会社ということもあり、Webサーバーのチューニング等が似通っているからか ApachBench に関してはほぼ同じような結果が出ましたが、Monitis と PHP Benchmark の結果では heteml の新環境で非常に高い安定性と処理速度が見られました。

以上から、サーバーの実際のパフォーマンスに関しては、heteml のほうが上と言えるようです。


「heteml」v.s.「ロリポップ!(エンタープライズ)」徹底比較まとめ

以上、heteml とロリポップ!(エンタープライズプラン)の仕様・サービス、そして実際のパフォーマンスを比較してみました。同じ会社のサーバーということもあり、仕様上は似ている点が非常に多く、決定的な違いもありませんでした。

しかし、サーバー自体の実際のパフォーマンスを比較すると、安定性・処理速度ともに、現時点では heteml が上という結果が出ました。加えて、heteml は料金プランの改定により、月額料金と初期費用がより手ごろになりましたので、コストパフォーマンスも向上しています。

また、これまで料金的にネックになっていたバックアップオプション(このオプションを使うとロリポップ!より高額になった)も、無料の自動バックアップ機能が追加されたことにより、必須の機能ではなくなりました。ロリポップ!のメールアカウントごとの容量制限も緩和されていないため、ビジネス用途で利用するにはやや物足りないです。



以上から、料金的にもサーバーの性能的にも、ロリポップ!のエンタープライズプランより、heteml のほうがコストパフォーマンスは高いため、ネットビジネスで利用するには、現時点で heteml がよりオススメという結論になります。

もし、できるだけ低価格で始めたいということであれば、比較的安定性・パフォーマンスが高く、電話サポートも利用できる、ロリポップ!の「スタンダード」プランから始めるのがいいでしょう。


結論