「ロリポップ!」v.s.「さくらのレンタルサーバ」-機能とパフォーマンスを独自計測データで徹底比較!

「ロリポップ!」v.s.「さくらのレンタルサーバ」-機能とパフォーマンスを徹底比較!

格安サーバーの会社で最もよく知られているのは、間違いなくロリポップ!を運営する GMOペパボ株式会社と、さくらインターネットでしょう。

どちらも22年以上の運営歴がある、レンタルサーバー黎明期からの老舗レンタルサーバーです。数しれず消えていった格安レンタルサーバー会社の中で生き残ってきたツワモノでもあります。

今回は、この GMOペパボ株式会社の提供する共用サーバーサービス「ロリポップ!」と、さくらインターネットが提供する共用サーバーである「さくらのレンタルサーバ」のプランについて、そのサービス概要からサーバーの実際の性能までを比較してみました。

各サーバーの主な違いをざっくりまとめると、こんな感じになります。

  • ロリポップ!:新しい機能を取り入れるのが比較的早く、使い勝手などユーザー目線でのサービス提供がメリット。パフォーマンスも高い。
  • さくらのレンタルサーバ:新機能やサーバースペックの更改は遅いが、東証一部上場企業ならではの堅牢性と安定性がある。

以上から、以下のような結論になります。

「ロリポップ!」v.s.「さくらのレンタルサーバ」の結論

・ハイスペックのサーバーを利用したい人 ⇒ ロリポップ!
・東証一部上場企業の安心感を得たい人 ⇒ さくらのレンタルサーバ

では、具体的に比較した内容の詳細を見ていきましょう。

  1. ロリポップ!とさくらのレンタルサーバのスペック~サービスの詳細を比較
    1. 主なサービス(ディスク容量・マルチドメイン数・データベース数など)の違い
      1. スペックはロリポップ!、料金は低料金帯はさくらが初期費用も含め安めだが、やはりロリポップ!の「ハイスピード」プランのコスパが圧倒的
    2. サーバースペック(CPU・メモリ・高速化機能など)の違いをチェック
      1. CPU などはロリポップ!が非公開のため比較不可だが、基本スペックや高速化機能などの新機能はロリポップ!が充実
    3. その他の主なサービス(独自SSL・バックアップ・サポート体制など)の違い
      1. ロリポップ!はプラン変更が可能な点が大きなアドバンテージ サポートやバックアップ面では、さくらがややリード
  2. 各サーバーのパフォーマンスを比較
    1. 安定性比較の概要
      1. サーバー専用の監視ツールで 6か月以上計測した結果を比較
    2. Webサーバーの稼働率と応答速度を比較
      1. 応答速度はロリポップ!がかなり速めだが、稼働率にはトータルで大きな差は見られない
    3. サイトの表示速度比較の概要
      1. 速度を計測する専用ツールで WordPress の表示速度を 6か月間計測して比較
    4. WordPress の表示速度を比較
      1. サイトの表示速度は ロリポップ!がTOPレベル 対するさくらは最下位 スペックの差は如実
  3. まとめ
      1. ハイスペック・高コスパのロリポップ!「ハイスピード」プランが圧倒的におすすめだが、長期目線で安定志向なら東証一部上場のさくらのレンタルサーバもおすすめ
    1. ロリポップ!がおすすめな人
    2. さくらのレンタルサーバがおすすめな人

ロリポップ!とさくらのレンタルサーバのスペック~サービスの詳細を比較

最初に、両社サービスの違いについて見ていきましょう。まずは、主なサービス概要からです。

主なサービス(ディスク容量・マルチドメイン数・データベース数など)の違い

スペックはロリポップ!、料金は低料金帯はさくらが初期費用も含め安めだが、やはりロリポップ!の「ハイスピード」プランのコスパが圧倒的

会社名プラン名初期費用月額費用ディスク
容量
マルチ
ドメイン数
データ
ベース数
転送量
ロリポップ!エコノミー1,650円99~132円100GB50個×無制限
さくらライト無料1,571円/年
(約131円/月)
100GB20個×無制限
ロリポップ!ライト1,650円220~440円200GB100個1個無制限
さくらスタンダード無料524円300GB200個50個無制限
ロリポップ!スタンダード1,650円440~880円300GB200個50個無制限
ロリポップ!ハイスピード無料550~1,320円400GB無制限無制限無制限
さくらプレミアム無料1,571円400GB300個100個無制限
ロリポップ!エンタープライズ無料2,200~2,530円1.2TB無制限無制限無制限
さくらビジネス無料2,619円600GB400個200個無制限
さくらビジネスプロ無料4,714円900GB500個400個無制限
※さくらのレンタルサーバの月額料金は、年払いにすると上記よりさらに2か月分ほど安くなる

以下に、両社における各プランと価格帯毎にディスク容量、マルチドメイン数(設置可能な独自ドメイン数)、転送量の目安を一覧にしました。

古くからのライバルだけあり、おおむね似たようなプラン構成になってはいますが、いくつかの価格帯で違うプランが用意されています。ここは運営方針の差が出ているところだと思いますが、以前ロリポップ!は低価格帯重視で戦っていましたが、徐々に上位プランも提供し始めているため、攻めている場所が若干違いますね。

さくらが2022年2月のリニューアルで、全プランの転送量を無制限にしましたが、それ以外のディスク容量やデータベース数などのスペック的には、ロリポップ!がほぼ上という状況です。

一方で、料金的には初期費用など一部がさくらのほうが割安なものも見られます。ただ、圧倒的にコスパが高いのは、間違いなくロリポップ!の「ハイスピード」プランです。

転送量とは?
Web サイトの表示の際に、サーバーから閲覧者の PC に向けて送られるデータ量のこと。Web サイトへのアクセス数が多く、この転送量の上限をオーバーすると、アクセスが遮断され、サイトが閲覧できなくなってしまう可能性がある

サーバースペック(CPU・メモリ・高速化機能など)の違いをチェック

CPU などはロリポップ!が非公開のため比較不可だが、基本スペックや高速化機能などの新機能はロリポップ!が充実

 ロリポップ!さくらのレンタルサーバ
WebサーバーソフトApache(アパッチ)/
ハイスピード以上は
LiteSpeed(ライトスピード)
Apache
記憶媒体SSDSSD
データベースMySQLMySQL
CPU非公開Intel Xeon(Cascadelake)
メモリ非公開18MB~48GB
PHPモジュール版(ライト/スタンダード)
LiteSpeed 版(ハイスピード以上)
モジュールモード
高速化機能HTTP/2
・ロリポップ!アクセラレータ
・コンテンツキャッシュ機能

(LiteSpeed Cache(ハイスピード以上))
HTTP/2
アクセス増対策○(同時アクセス数機能拡張
(ブースト機能))
○(リソースブースト)
+(コンテンツブースト機能(CDN)
※スタンダード以下は有料)
  • LiteSpeed Cache:WordPress 用の表示データをキャッシュし、高速表示する LiteSpeed 専用のプラグイン

次に、サーバー周りのスペックの違いをチェックしてみましょう。

CPU とメモリに関しては、ロリポップ!が非公開になっているため、やや比較が難しいです。さくらのレンタルサーバは、利用しているサーバーのスペックをユーザー自身が確認できる仕組みになっていますので、透明性が高いところはメリットです。

ただ、ロリポップ!のハイスピードプラン以上は、高速処理が可能な LiteSpeed サーバーを使用しているなど、さくらと比較してもかなり上でしょう。

その他の主なサービス(独自SSL・バックアップ・サポート体制など)の違い

ロリポップ!はプラン変更が可能な点が大きなアドバンテージ サポートやバックアップ面では、さくらがややリード

 ロリポップ!さくらのレンタルサーバ
無料独自SSL○(Let’s Encrypt)○(Let’s Encrypt)
WAF(Webアプリケーション
ファイアウォール)
バックアップ有料(Web/メール/データベース)
※ハイスピード以上無料
○(Web&WPデータベース:最大8回分)
 バックアップからの復元○(無料)○(無料)
プラン変更○(上位)×
電話サポート△(スタンダード以上)
・チャットサポートは全プラン対象
アダルトサイト××
データセンター国内国内
お試し期間10日間14日間
キャンペーン初期費用無料などほぼなし

次に、その他の仕様の中で違いがみられるものや、重要な機能やサービスと思われるものをいくつかピックアップし、比較してみました。

ロリポップ!が優位な点は、プラン変更ができる点、キャンペーンの開催が多い点が挙げられます。いまだにプラン変更ができないのは、さくらのレンタルサーバの大きなデメリットと言えるでしょう。

一方、さくら側のメリットと言えば、最安プランでも電話サポートが利用できること、ロリポップ!に比べるとお試し期間が少し長いことなどが挙げられます。

バックアップについては、さくらが低価格プランでもバックアップが無料なのに対し、ロリポップ!の場合は「ライト」以下のプランは有料です。

各サーバーのパフォーマンスを比較

では、次に各サーバーのパフォーマンスを比較してみましょう。サーバーの性能はスペックだけではわかりません。そのため、実際に各サーバーを使用して検証を行った内容から、実際の能力差を見てみたいと思います。

比較に使用するのは、当サイトで独自に調査したデータで、同じ価格帯のプランである、ロリポップ!「ハイスピード」さくらのレンタルサーバ「スタンダード」を使用した結果です。
(※ 2021年の計測データを基にしています。)

調査の詳細については、以下の各記事でご確認ください。

Webサーバーの安定性を独自調査データで比較
サーバー別のWordPress表示速度を独自調査データで比較

安定性比較の概要

サーバー専用の監視ツールで 6か月以上計測した結果を比較

まず、サーバーで最も重要な「安定性」からチェックします。

調査は Webサーバーの監視ツール「Site24x7」を利用したもので、約 7日間× 6か月間に渡ってサーバーの稼働率と応答速度をモニタリングした結果を比較します。

「稼働率」は、サーバーが正常に動作していた時間帯の割合で、100%に近いほどより安定していると言えます。おおむね「99.99%」程度であれば優秀です。(※ 稼働率=(稼働時間×障害時間)÷稼働時間×100)

「応答速度」は、外部からサーバーに対してサイトのデータを送るよう命令を送った際(HTTPリクエスト)に、どのくらいで応答を返してきたかを計測したもので、数値が小さいほうが応答は速いため、より良いサーバーということになります。

Webサーバーの稼働率と応答速度を比較

応答速度はロリポップ!がかなり速めだが、稼働率にはトータルで大きな差は見られない

順位サーバー名
(プラン名)
項目平均7月8月9月10月11月12月
2位ロリポップ!稼働率 100%100%100%100%100%100%100%
応答速度263.8206.0298.0245.0244.0370.0220.0
6位さくらのレンタルサーバ稼働率99.999%100%99.992%100%100%100%100%
応答速度997.81,020.0957.0929.01,040.01,030.0891.0
8社平均稼働率99.995%100%99.974%99.999%100%99.999%99.998%
応答速度389.4413.9421.5337.1386.0388.0350.0
※無断転載禁止
※稼働率の単位は「%」、応答速度の単位は「ミリ秒」

まず、稼働率に関しては、ロリポップ!が 100%を達成しており、素晴らしい結果となっています。一方のさくらも、8月に 1分弱の停止が見られただけで、トータルでは十分な稼働率を維持できていると言っていいでしょう。

一方、応答速度に関しては、ロリポップ!がかなり速いです。
さくらは当サイトで計測している他の会社と比較してもかなり遅く、最下位レベルですね。

サイトの表示速度比較の概要

速度を計測する専用ツールで WordPress の表示速度を 6か月間計測して比較

次に、各サーバーに設置した WordPressサイトの表示速度を比較してみます。表示速度の計測には、同じく Site24x7 を使用しています。こちらも約 7日間× 6か月間に渡る調査結果です。

結果の数値については、小さいほうが速く表示できるということを意味しますので、数値が小さいほうがより良いサーバーということになります。(計測に使用したWebサイトのデータは共通)

WordPress の表示速度を比較

サイトの表示速度は ロリポップ!がTOPレベル 対するさくらは最下位 スペックの差は如実

順位サーバー名
(プラン名)
平均(秒)7月8月9月10月11月12月
2位ロリポップ!(ハイスピード)3.623.422.952.904.414.113.94
8位さくらのレンタルサーバ(スタンダード)5.024.974.674.355.725.355.03
平均4.023.664.393.264.524.194.12
※無断転載禁止
※単位はすべて「秒」

WordPress サイトの表示速度は、すべての月においてロリポップ!がさくらを上回っているため、ロリポップ!の完全勝利といった感じです。

上で見たように、ロリポップ!は CPU やメモリのスペックは非公開ですが、LiteSpeed サーバー、SSD などサーバーの基礎の部分の高速化が図られているため、そういった基礎力が如実に表れた結果と言えるかもしれません。

さくらは、2022年 2月に高速化を施したリニューアルをする予定のため、今後に期待したいですね。

まとめ

ハイスペック・高コスパのロリポップ!「ハイスピード」プランが圧倒的におすすめだが、長期目線で安定志向なら東証一部上場のさくらのレンタルサーバもおすすめ

以上、GMOペパボ株式会社のロリポップ!と、さくらインターネットの共用サーバープランについて、概要と安定性、Webサイトの表示速度を実測データにもとづいて比較してみました。

格安サーバーの老舗として人気を二分する各社でありますが、現状ではスペック、パフォーマンスの両面において、現状はロリポップ!のほうが上と言っていいでしょう。

また、さくらのレンタルサーバは、プラン変更が一切できないので、最初は安いプランから始めて、アクセスが増えてきたら上位プランに変更したい場合には、迷わずロリポップ!を選びましょう。

特に、ロリポップ!の大幅リニューアルに伴い、ハイスピードプランが初期費用無料+最安で月額500円と、スタンダードプランと同じ値段で利用できますので、ロリポップ!の「ハイスピード」プランが圧倒的におすすめです。

ただ、安定性に関しては、今回はロリポップ!が上でしたが、過去の長い調査状況からみるとさくらのほうが安定性が高い傾向があるため、長期目線で慎重を期したい人は、東証一部上場企業のさくらのレンタルサーバを選ぶのがいいかもしれません。

以上の結論から、ロリポップ!とさくらのレンタルサーバは、それぞれこんな人におすすめだと言えます。

「ロリポップ!」v.s.「さくらのレンタルサーバ」の結論

・ハイスペックのサーバーを利用したい人 ⇒ ロリポップ!
・東証一部上場企業の安心感を得たい人 ⇒ さくらのレンタルサーバ

ロリポップ!がおすすめな人

  • 低価格帯プラン(~ハイスピードプランまで)を利用したい人
  • 安めのプランから始めて、アクセスに応じてプラン変更したい人
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さくらのレンタルサーバがおすすめな人

  • 高価格帯プラン(プロ以上)を利用したい人
  • 東証一部上場の安定性を求める人
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