「エックスサーバー」v.s.「mixhost」徹底比較!



ネットビジネス向けのレンタルサーバーの中で、名実ともに高い人気を誇っていた「エックスサーバー」ですが、2017年に新進気鋭の「mixhost」がリリースして以来、その人気を二分するような流れになりつつあります。

質実剛健で既存ユーザーを大切にするエックスサーバーに対し、新しいテクノロジーを多数引っ提げてきた mixhost。どちらを契約すべきか悩む人も多いでしょう。

そこで、今回は エックスサーバー株式会社の「エックスサーバー」と、アズポケット株式会社の「mixhost」を、サービス概要からサーバーの実際の性能まで、各種のベンチマークツールなどを用いた独自の調査内容を交えて比較してみたいと思います。


※2017/9 エックスサーバーの仕様変更を反映


エックスサーバーと mixhost の概要を比較

最初に、エックスサーバーと mixhost の主なサービス概要の違いから見ていきましょう。

主なサービスの違い

以下に、両社における各プランと価格帯毎にディスク容量、マルチドメイン数(設置可能な独自ドメイン数)、転送量の目安を一覧にしました。


エックスサーバー mixhost
プラン名 ディスク容量 独自ドメイン 転送量 月額料金 ディスク容量 独自ドメイン 転送量 プラン名
約500円 10GB 無制限 30GB/日 エコノミー
X10(スタンダード) 200GB 50個 70GB/日 約1,000円 30GB 無制限 60GB/日 スタンダード
X20(プレミアム) 300GB 70個 90GB/日 約2,000円 48GB 無制限 90GB/日 プレミアム
X30(プロ) 400GB 70個 100GB/日 約4,000円 72GB 無制限 120GB/日 ビジネス
約6,000円 96GB 無制限 150GB/日 ビジネスプラス

※エックスサーバーはこれまでプラン名が「X10~X30」という形でしたが、「スタンダード・プレミアム・プロ」のように変更しつつあるようです。(2017年8月時点)



相違点に注目してみると、まず mixhost には全部で5つのプランがありますが、エックスサーバーは3つです。選択の幅からいうと mixhost のほうが多いですが、エックスサーバーには X2 と sixcore という上位サービスも用意されています。

ディスク容量に関しては、エックスサーバーのほうがダントツに大きいです。これは、エックスサーバーが、安価な従来の HDD を使ったサービスであったのに対し、mixhost はリリース当初から高価な SSD を採用していたことがその理由の一つです。

現在はエックスサーバーもすべてのサーバーで SSD を使用していますので、条件としては同じです。ただ、Webサイトの運営程度では、それほど大容量のストレージは必要ありませんので、通常の使い方であれば mixhost でも十分でしょう。



次に、利用可能な独自ドメインやデータベース数に関しては、mixhost が最安のプランでも無制限で利用可能です。これを圧倒的なメリットとして紹介しているサイトも多いですが、サイト作成可能数が多いということは、それだけ同居しているサーバーに多くのサイトが作成される可能性が高いということでもあり、その分受ける影響も大きくなりやすいという点も考慮する必要があります。

転送量に関しては、どちらもほぼ同じレベルです。ただ、ネット上の情報を見る限りでは、エックスサーバーのほうがサーバーの負荷に対しては厳しめという意見が多いです。これも上と同様で、制限が厳しいということは、自分のサイトのアクセスが増えたときは困りますが、他のユーザーの影響を受けにくいということでもあります。

どちらを優先するかは、サイトの運営方針などにもよりますので、総合的に判断したいところです。


サーバースペックの違いをチェック

次に、サーバー周りのスペックの違いをチェックしてみましょう。


エックスサーバー mixhost
Webサーバーソフト nginx LiteSpeed
データベース MySQL MariaDB
CPU 20コア 仮想1コア~5コア
メモリ 192GB 512MB~6GB
PHP CGIモード(FastCGI) CGIモード/モジュールモード
高速化機能 page_modspeed LiteSpeed Cache

※2017/9/14 エックスサーバーが nginx を導入



サーバーソフトの LiteSpeed、MariaDB など、新しい機能に関しては、やはり mixhost のほうが進んでおり、他社ではまだ導入していないシステムもふんだんに盛り込んであります。一方、2017年9月にエックスサーバーは、サーバーソフトを Apache から、より高速処理が可能な nginx(エンジンエックス)に変更し、対抗しています。

CPU とメモリに関しては、エックスサーバーはサーバーラック1台に対しての仕様、対して mixhost はアカウントごとで利用可能な容量を示しています。仕様上では、mixhost では CPU やメモリなどのリソースが仮想化され、独立している形になっているため、他のユーザーの影響を受けにくいシステムとは言えます。

しかし、あくまでも共用サーバーであるため、専用サーバーのように完全に独立しているわけではなく、当然他のユーザーの影響は受けます。単純に同じ土俵で比較することはできませんので、サーバーのパフォーマンスについては、下で触れる「安定性」や「表示速度」などの調査結果もあわせて参照してください。


その他の主なサービスの違い

次に、その他の仕様の中で違いがみられるものや、重要な機能やサービスと思われるものをいくつかピックアップし、比較してみました。


エックスサーバー mixhost
HTTP/2
無料独自SSL ○(Let’s Encrypt) ○(COMODO社)
WAF ×
バックアップ
 バックアップからの復元 ○(有料) ○(無料)
プラン変更 ○(上位・下位) ○(上位・下位)
 プラン変更のタイミング 月単位 即時(日割り)
電話サポート ×
アダルトサイト ×
データセンター 国内 国内/アメリカ
お試し期間 10日間 30日間
キャンペーン 独自ドメイン永久無料、初期費用無料など 特になし

※2017/9/14 エックスサーバーが HTTP/2 に対応



まず、新しい通信プロトコルである HTTP/2 は、2017年9月に エックスサーバーも対応しました。セキュリティ機能である、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)は、まだエックスサーバーでは実装されていません(WAF は上位の sixcore にて実装済み)。

バックアップ自体はどちらも無料ですが、エックスサーバーはバックアップからの復元は有料です。ただ、これは利用する機会が多くはありませんので、使い方次第ではそれほど大きな違いにはならないでしょう。



また、プラン変更に関しても、どちらのサーバーも上位・下位に変更が可能ですので、柔軟性は高いです。

ただ、プラン変更のタイミングについては、mixhost のほうがより柔軟性が高く、変更が即時反映します。また、料金も日割りで計算してくれますので、例えば一時的にサイトのアクセスが急上昇した場合に、1週間だけ上位プランに変更するといったことも可能です。



一方、サポートに関しては、mixhost は電話サポートを行っておらず、Web 上からの問い合わせのみ対応しています。返答はメールでも届きますが、回答の速さに関してはエックスサーバーのほうが上で、回答の質に関しても、ばらつきが少ないという意味で、個人的にはエックスサーバーのほうが上だと思います。



また、mixhost では、アダルトサイトの運用がOKです。柔軟性は高いですが、夜間のパフォーマンス低下の影響も懸念されます。mixhost はアメリカにもデータセンターがあるため、海外向けのサイトを作るには向いています。

お試し期間の長さでは mixhost は他社の追従を許さない、30日間という圧倒的な長さを誇っています。それに対し、エックスサーバーは独自ドメイン永年無料という、非常にメリットの大きいキャンペーンを随時実施しています(X20・X30では常時無料)。


各サーバーのパフォーマンスを比較

では、次に各サーバーの実力を比較してみましょう。サーバーの性能はスペックだけではわかりません。そのため、実際に各サーバーを使用して検証を行った結果をもとに、実際の能力差を見てみたいと思います。

比較に使用するのは、当サイトで独自に調査したデータで、エックスサーバーは「X10」、mixhost は「スタンダード」プランを使用しての結果です。調査の詳細については、以下の各記事でご確認ください。(2017年3月の調査結果)

Webサーバーの安定性と応答速度をツールで比較(monitis)【2017年版】
WordPressサイトの表示速度をレンタルサーバー各社で比較【2017年版】(GTmetrix)


サーバーの安定性を比較

まず、サーバーで最も重要な「安定性」からチェックします。

調査は Webサーバーの監視ツール「monitis」を利用したもので、約7日間に渡りサーバーの安定性と応答速度をモニタリングした結果を比較します。



「応答速度」は、外部からサーバーに対してサイトのデータを送るよう命令を送った際(HTTPリクエスト)に、どのくらいで応答を返してきたかを計測したもので、数値が小さいほうが応答が速いため、より良いサーバーということになります。

また、「応答なし回数」は、リクエストを送ったにもかかわらず、サーバーから応答がなかった(またはかなり遅かった)、つまり Webサイトの表示ができなかった可能性があると考えられますので、応答なしの回数が少ないほうが安定性が高いサーバーといえます。


Webサーバーの応答速度

最速 平均応答速度 速度順位
mixhost 95 409 3
エックスサーバー 82 516 4

Webサーバーの応答状況(安定性)

応答なし回数 (除外分) 応答なし合計 安定性順位
エックスサーバー 3 -3 0 1
mixhost 10 -3 7 9



まず、応答速度ですが、他社と比較するとどちらも非常に早く、また数値の差もほとんどないため、ほぼ同格という感じです。

一方、応答状況に関しては、mixhost のほうがやや応答が返らなかった回数が多いです。ログを見ても、明らかなエラーがみられたポイントもありましたので、安定性に関してはエックスサーバーのほうが上と言えるでしょう。


WordPressの表示速度を比較

次に、各サーバーに設置した WordPressサイトの表示速度を比較してみます。表示速度の計測には、Webサイトの速度に関するパフォーマンスを計測できる「GTmetrix」を使用しています。

結果の数値については、小さいほうが速く表示できるということを意味しますので、数値が小さいほうがより良いサーバーということになります。(計測に使用したWebサイトのデータは共通)


WordPress の表示速度

最小値 最大値 平均値 順位
エックスサーバー 1.1 1.4 1.29 1
mixhost 1.5 1.7 1.66 2



調査時には全部で15のレンタルサーバーの速度を測定しましたが、エックスサーバーと mixhost がツートップになりました。

どちらも非常に速いのですが、エックスサーバーのほうが若干速いです。また、このエックスサーバーの結果は「オールSSD化」の前の数値のため、現在のSSD化後のサーバーでは、平均の表示速度が「1.24」とさらに「0.05秒」速くなりました。


まとめ

以上、エックスサーバーと mixhost について、その概要と安定性・サイトの表示速度について比較してみました。

まさに頂上決戦という名にふさわしく、仕様・サーバーの実力ともにトップレベルのサーバーであり、どちらを選んでも後悔することはないでしょう。



ただ、様々な調査を経たうえで若干気になったのは、エックスサーバーより mixhost のほうがやや不安定な印象がある点です。

mixhost は、まだサービス開始から日が浅いということもあり、10年近くの運営実績のあるエックスサーバーと比べると信頼性にはやや欠けます。実際に2017年2月には大規模な障害も発生しました。その際の対応は非常に良かったので、印象は悪くはありませんが、もう少し様子を見たい気もします。

また、HTTP/2 や LiteSpeed など、mixhost の新テクノロジーによる恩恵は、(あくまで地力の高いエックスサーバーと比較すると、というレベルですが)今のところそれほど実際のパフォーマンスには反映していないことや、他社も徐々に追いついて行っていることから、あちこちのブログなどが煽るほどのアドバンテージはないようにも感じます。

※上でも触れたように、エックスサーバーは、サーバーソフトをより高速な nginx(エンジンエックス)にし、HTTP/2 にも対応しました。技術革新のスピードは非常に速いですね。



とはいえ、今回の結果を見てもわかるように、他の長期間運営しているレンタルサーバーと比較しても、mixhost ほどパフォーマンスが高いサーバーはそうそうありませんので、エックスサーバーではなく、mixhost を選ぶのは全然アリだと思います。

特に、できるだけ安いプランから始めたいのであれば、月額500円から始められる mixhost がいいです。同じ価格帯の ロリポップ!やさくらのレンタルサーバを使うのであれば、断然 mixhost がおススメです。

一方、できるだけ安定した運用を望むのであれば、現状はまだエックスサーバーにアドバンテージがあると思います。



エックスサーバー「X10」の検証・評価レビュー

mixhost(ミックスホスト)の検証・評価レビュー