IP分散サーバー人気の5社を徹底比較・評価!料金や安定性、表示速度まで

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「IP分散サーバー」6社を徹底比較!料金・安定性・表示速度など

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IP分散サーバーは、レンタルサーバーの中でもやや特殊な形態のサーバーで、主にサイトの評価を上げるためのバックリンクを構築するために使用されています。

そのため、IP分散サーバーは、一般人が利用するサーバーではありませんが、それなりの数の会社から提供されており、ユーザー数も多くいます。ただ、一般向けではないこともあってか、しっかりと比較されている情報は多くないようです。

そこで、今回はその IP分散サーバーに焦点を当てて、料金面やサービスなどの仕様面だけではなく、あまり調査されることのないサーバーの安定性と表示速度のパフォーマンスまで、各種ツールで独自に測定し、徹底的に比較してみました。

結論としては、以下のような感じになります。

POINT
  • 最もバランスがよくオススメ(安定性高+表示速度まあまあ):IQサーバー
  • コスパ重視ならTICserver (1年契約ならさらにお得)

以下に、詳細を解説していきます。

目次

IP分散サーバーとは?

IP分散サーバーとは、インターネット上の住所であるIPアドレスがサーバーごとに違うサーバーです。

もちろん、IPアドレスは固有のものなので、サーバーごとにIPアドレスが異なるのは当然なのですが、「クラスC」という部分が違う数字であるものを割り振っています。(以下の数字は、わかりやすいような数字にしてあるだけで、実際には使用できないIPアドレスです)

クラスC分散の説明

レンタルサーバーというのは、会社ごとに使用できるIPアドレスの範囲というのがある程度決まっています。

そのため、サーバー一台ごとにクラスD を連番で割り振っていくような形になっています。つまり、同じレンタルサーバー会社で複数のサーバーを借りたとしても、クラスCまでは同じで、クラスDだけが違うという可能性があるということになります。

通常のサーバーのイメージ例

  • 1台目のサーバー 111.222.333.444
  • 2台目のサーバー 111.222.333.445
  • 3台目のサーバー 111.222.333.446

一方、このIP分散サーバーでは、クラスCの数値から別々に割り振っています。

そのため、一つの会社でサーバーをレンタルしているにも関わらず、IPアドレスだけを見ると、別々の会社でサーバーをそれぞれ借りているように見えることになります。

IP分散サーバーのイメージ例

  • 1台目のサーバー 111.222.333.444
  • 2台目のサーバー 111.222.334.12
  • 3台目のサーバー 111.222.335.199

IP分散サーバーの利用方法

それでは、IP分散サーバーというのは、いったい何に利用されているのかというと、多くは Webサイトで集客を行っているアフィリエイターや SEO業者たちに、いわゆる「サテライトサイト」と言われるサイトを作成し、集客をしたいメインのサイトへ人工的な「バックリンク」を送る目的で使用されています。

検索エンジンがサイトの価値を判断する重要な要素の一つとして、他のサイトからのリンクがあると考えられています。

通常、サイトから他のサイトへリンクするのは、リンク先のサイトに価値がある情報が書かれているからです。ですから、多くのサイトからリンクされているサイトは、それだけサイトの内容に価値があると考えることができます。

そのため、意図的にリンクをつけることによって、検索エンジンの評価を高めて、検索の上位に上がりやすくする、いわゆる「ブラックハットSEO」と呼ばれる手法を行うために使われています。

このように人為的に被リンクをつける手法(いわゆる「ホワイトハットSEO」)を使用していない人には、まったくと言っていいほど利用価値のないサーバーですね。

比較した 5つのIP分散サーバー

今回比較したのは、以下のIP分散サーバーです。

IP分散サーバーはほかにも沢山ありますが、今回は比較的メジャーな下記 5つのレンタルサーバーをピックアップしました。

  • TICserver(セブンアーチザン合同会社)
  • IQサーバー(株式会社エムフロ)
  • UltraDomain(中沢商事株式会社)
  • 123サーバー(123Server株式会社)
  • Joe’s(株式会社Joe’sクラウドコンピューティング)

TICserverセブンアーチザンは、IP分散サーバーのみではなく、様々なタイプのレンタルサーバーを取り扱っている会社です。123サーバーは、このIP分散サーバーをメイン事業にしており、割と古くから営業しているイメージがありますね。

IQサーバーUltraDomain は、どちらもドメイン取得業も行っている会社です。また、Joe’s はレンタルサーバー最大手のさくらインターネットの子会社で、代表取締役もさくらインターネットと同じ、田中邦裕氏が兼任しています。

IP分散サーバー各社の概要比較

それでは、IP分散サーバー各社の料金や仕様などから比較していきましょう。

IP分散サーバーの料金比較

スクロールできます
サーバー初期
費用
シングル
ドメイン
月額
料金
1IP
あたり
マルチ
ドメイン
月額
料金
1IP
あたり
試用
期間
TICserver国内無料4,752円
/10IP
475円5,346
/10IP
535円なし
(返金対応あり)
海外無料1,188円
/10IP
118円3,564円
/10IP
356円なし
(返金対応あり)
IQサーバー国内無料3,565円
/10IP
357円10日間
海外無料1,527円
/10IP
153円10日間
UltraDomain国内無料292円~
/1IP
292円~584円~
/1IP
584円~14日間
123サーバー国内2,619円~2,619円
/5IP
525円~4,086円
/5IP
817円~30日間
海外2,410円~2,410円
/5IP
483円6,548円
/5IP
1310円30日間
Joe’s国内無料715円
/1IP
715円7日間

まずは、料金関連の情報からです。(すべて税込み価格)

まず、IP分散サーバーにも海外のサーバーを利用しているものと、国内のサーバーを利用しているものがあり、海外のほうが国内よりも安いです。プランには、1つのアカウントで1つのドメインのみ利用できる「シングルドメイン」と、複数のドメインを利用できる「マルチドメイン」のプランがあります。(どちらか一方しか利用できないところもあります)

アカウントも、1つのアカウントから契約できるところや、最低5~50アカウントをまとめて契約する必要があるところなど、様々です。目安として、1IP(1アカウント)ごとの料金を掲載しましたので、料金の目安にしてください。

ほとんどのサーバーでは初期費用は発生しませんが、123サーバーだけは初期費用が発生します(※キャンペーンで無料になっていることあり)。

IP分散サーバーの仕様比較

スクロールできます
使用しているサーバー無料独自SSLDNSWordPress
自動インストール
シングルドメイン
DB数
(サーバー毎)
1マルチドメイン
DB数
(サーバ毎)
TICserver米国
(テキサス州ダラス)
完全分散1個無制限
IQサーバーさくらインターネット
(東京)
完全分散1個
海外完全分散可
(有料)
1個
UltraDomainさくらインターネット
(東京)
×△(※1)1個25個
123サーバー国内123サーバー
(岡山)
完全分散1個無制限
海外完全分散1個無制限
Joe’sさくらインターネット
(東京)
○(※2)完全分散50個
※1 UltraDomain で取得・管理しているドメインのみDNS完全分散
※2 2018/4/18 より順次提供

次に、各サーバーの仕様を比較してみます。
主に、無料独自SSL、DNSの分散有無、アカウントごとに利用可能なデータベース数などをチェックしています。

まず、使用しているサーバーですが、今回の検証で実際に使用したサーバーがどこの会社のサーバーを使っているかを調べて、掲載しています。(同じIP分散サーバーでも、IPアドレスをより分散するために、複数の会社のサーバーを利用していることも考えられますので、上に挙げた以外の会社のサーバーが当たる可能性もあると思います)

常時SSL化は常識になっていますので、無料のSSL(主に Let’s Encrypt が多い)が使用できるところも増えています。サテライトサイトは特にSSL化する必要はないと考える人もいるかもしれませんが、今後のことを考えると SSL化しないよりしたほうがいいことは確かなので、少なくとも利用できるほうがいいでしょう。

次の、DNSの分散ですが、サーバー自体のIPアドレスが同じでも、サテライトサイトのネームサーバーが全部同じだと、やはり同じユーザーが意図的にリンクをつけているのでは、と認識される可能性もあります。そのため、サーバーのIPアドレスだけではなく、DNSも分散しているほうがいいです。

最後のデータベース数ですが、WordPress などを使用する場合は、そのサイト数だけ WordPress が必要になります。マルチドメインで WordPress を使用する場合は、データベースの利用可能数がサイトの作成可能数になります。

IP分散サーバーのパフォーマンスを比較

では、各サーバーの実際のパフォーマンスを比較してみましょう。

いつものように、サーバーの安定性と WordPress の表示速度を測定し、比較してみました。
TICserver は、海外のサーバーしか利用できないため米国のサーバー、それ以外はすべて国内のサーバーを使用しています。

IP分散サーバーの安定性比較

まずは、サーバーの安定性からです。

安定性は monitis という、サーバーのモニタリングサービスを利用してチェックします。(ツールは海外のものですが、測定に使用したサーバーは日本国内(東京)にあります)

チェックは約7日間、毎分ごとに行っており、サーバーへのリクエストに対して応答がなかった、もしくは応答がかなり遅かった場合を「応答なし」、応答が返ってきた際の速度の平均値を「平均応答速度」として掲載しています。(「応答なし」の回数が少ない順に並べてあります)

スクロールできます
応答なし回数平均応答速度
(ミリ秒)
IQサーバー0786
Joe’s6399
123サーバー8927
UltraDomain281001
TIC server792299

結果の見方としては、「応答なしの回数」は少ないほど、応答速度は小さいほど良いサーバーです。
基本的には上に行くほど、良いサーバーと言えます。

安定性に関しては、結構な差が出ました。この中では、TICserver のみアメリカのサーバーのため、応答状況がよくないのはある意味想定内です。(測定したサーバーは日本のため)

ただ、データを見ても、何十分~何時間も継続して応答がなかったサーバーはありませんでした。IP分散サーバーは、割合安定していないというイメージがあったのですが、長時間表示されない、といった状況は発生しなかったようです。

IP分散サーバーの表示速度比較

次に、サーバーの表示速度を比較します。

比較のために、各サーバーに WordPress をインストールし、その表示速度を GTmetrix という表示速度を計測できるサービス(計測地:カナダ・Google Chrome)にてチェックしました。

計測は、平日の朝から夜中まで時間を変えて計 7回実施、WordPress はまったく同じコンテンツとテーマを利用しています。(テーマ:”twenty seventeen”、コンテンツ:”WordPressテーマユニットテスト” を使用)

スクロールできます
平均値最小値最大値
TICserver(1.8)(1.7)(2.1)
Joe’s1.91.62.7
IQサーバー2.82.63.0
UltraDomain3.33.03.6
123サーバー(5.3)(3.4)(13.4)

こちらは数値が小さいほど良いサーバーなので、上に位置しているほど速いサーバーと言えます。

計測地がカナダである影響か、一番速かったのは TICserver でした。TICのサーバーはアメリカなので、ある意味当然ですが、Joe’s もそれにほとんど引けを取らない、かなり速い速度が出ました。

IQサーバーや UltraDomain は、そこそこの速度ですが、サテライトサイトは多くの人に見られるサイトではないので、特に表示速度が多少遅いからと言って問題にはならないでしょう。

なお、123サーバーに関しては、GTmetrix(+他の速度計測サイト)からのアクセスが拒否されていたため、やむを得ず、安定性で利用した monitis の計測データを利用していますので、参考程度に見てください。

まとめ

以上、IP分散サーバー 5社のサービス概要から実際のサーバーのパフォーマンスまで比較してみました。

上にも書いたように、IP分散サーバーは割とサーバーが落ちやすく、安定しないという印象があったのですが、実際に計測してみると思ったより、安定していました。たった 1週間程度しか確認できていないので、何か月もモニタリングすれば長時間ストップするようなこともあるかもしれませんが、想定していたほどのことはなさそうな気がします。

そもそも、IP分散サーバーの用途は、メインの Webサイトではないので、たとえ数分程度サーバーが落ちたとしても特に問題ないのではないかと個人的には思います。(もちろん、ちゃんと稼働しているに越したことはありませんが)

あとは、自分の予算にあったサーバーを選べばいいでしょう。

できるだけ安く済ませたいのなら、TICserver が非常にお得ですし(1年契約ならさらにお得)、安定性を重視するのであれば、Joe’s や老舗の123サーバーがいいでしょう。

全体のバランスで見ると、IQサーバー最も安定性が高く、表示速度もそこそこ、かつ料金も安めなので、一番オススメです。(管理画面もとても使いやすいです)

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