データで比較!レンタルサーバー最速選手権【2020】



Web サイトの表示速度は、ユーザー体験や検索エンジンの評価に大きく影響するため、レンタルサーバー各社も速度向上に非常に力を入れており、独自の高速化機能を次々とリリースしています。

しかし、どの会社も「従来の●●倍!」と高速したことを謳っていますが、実際にその機能を利用したときに、どのサーバーが一番表示が速くなるのでしょうか。

当サイトで行っている定期計測では、できるだけ各レンタルサーバーそのものの力量を比較するために、「素」に近い状態(初期設定のまま)にしてデータを取り、以下のランキングにしています。

【最新版】レンタルサーバーのベンチマーク総合評価ランキング(随時更新)

ここでは、昨年に引き続き、各レンタルサーバーで利用可能な高速化機能を最大限に利用した場合に、WordPress でどれくらいの表示速度が出るのかを測定・比較してみました。


WordPress の表示速度調査実施概要

WordPress サイトの表示速度を調査するため、monitis というサービスを利用しました。

monitis はサーバーをモニタリングするための数多くのサービスを提供していますが、ここでは FullpageLoad という、ユーザーが実際にサイトの表示を行うのと同様の環境でサイトの読み込み完了までの時間をチェックできる機能を使用しています。

この機能で測定した、各サーバーにおける WordPress サイトの表示速度を比較します。



WordPress は、デザイン情報である「テーマ」、コンテンツ情報を含む「データベース」、画像などのデータを総合管理できるシステムですが、ユーザーからサイトを表示するリクエストがあるたびに、それらのデータを集め、サイトを構築し、データを送り返すという仕組みになっています。

そのため、サイトデータを送り返す Webサーバーだけではなく、WordPress を構成する言語である PHP やデータベースサーバーのパフォーマンスを含めた、レンタルサーバーの総合力が試されるシステムとも言えます。

そういう意味でも、WordPress の表示速度をチェックすることは、サーバーの真の実力を知ることにもつながる、と言っても過言ではないでしょう。


対象のサーバーと設定内容

今回比較しているのは、主に個人向けのサーバーの中でも人気があり、また新機能の導入にも積極的な高速化に力を入れている 6社のサーバーです。

サーバー名と利用した PHP のバージョンや高速化機能を以下の表にまとめました。
(※表中の各用語については、下に簡単に説明してあります)

サーバー名
(プラン名)
PHP ver.
&モード
高速化機能
エックスサーバー
(X10)
PHP 7.3
(FastCGI)
Xアクセラレータ V2
サーバーキャッシュ
ブラウザキャッシュ(すべての静的ファイル)
ColorfulBox
(Box2)
PHP 7.3
(LSAPI)
LiteSpeed Cache
heteml
(ベーシック)
PHP 7.3
(モジュールモード)
コンテンツキャッシュ設定
(WPキャッシュ機能)
ConoHa WING
(ベーシック)
PHP 7.4
(LSAPI)
コンテンツキャッシュ(すべてのコンテンツ)
ブラウザキャッシュ
ロリポップ!
(ハイスピード)
PHP 7.4
(LightSpeed)
ロリポップ!アクセラレータ
mixhost
(スタンダード)
PHP 7.3
(LSAPI)
LiteSpeed Cache

各高速化機能の概要

※キャッシュ:一時的にサーバーなどにコンテンツを記録しておくこと

FastCGI:PHP を従来の CGI モードのままモジュール版と同等の速さに高速化できる機能

Xアクセラレータ V2:「Webサイトの表示速度向上」+「同時アクセス数の大幅拡張」のエックスサーバー独自機能

LSAPI (LiteSpeed Server Application Programming Interface)):FastCGI に似た、Web サーバーとのやりとりを効率的に行える高速でスケーラブルなサーバーインターフェイス

モジュールモード:CGI モードより PHP を高速で処理できる機能

LiteSpeed Cache:Webサーバー「LiteSpeed」で利用できる WordPress 用のキャッシュプラグイン

コンテンツキャッシュ:サーバー側でコンテンツを一時的に記録(キャッシュ)して高速表示する機能

ブラウザキャッシュ:ユーザーのブラウザ側にコンテンツの一部をキャッシュさせて高速化表示する機能

ロリポップ!アクセラレータ:専用のキャッシュサーバーでコンテンツを一時的に記録(キャッシュ)しておき、高速表示するロリポップ!独自の機能


測定条件の詳細

今回測定を行った環境や条件ですが、すべてのサーバーに全く同じ内容の WordPress サイトを構築しています。

以下が、その詳細条件です。

WordPress のバージョン ver.5.4
WordPress のテーマ Twenty Twenty
WordPress プラグイン WP Multibyte Patch / Akismet / Hello Dolly
コンテンツ内容 WPテーマユニットテスト
(すべてのコンテンツをトップページに表示した状態)
測定ツール monitis
測定元サーバー(東京・新宿)
測定期間 7日間(2020年6月実施)
測定内容 WordPress サイトの表示速度
(20分ごとに計測を実施)
測定状況の詳細 日本国内のサーバーから Webサイトの表示を要求し、サイトデータの取得完了までの時間を計測
測定用ブラウザは Google Chrome を使用
コンテンツ内の特定の文字列が取得できるかもチェック



プラグインに関しては、WordPress をインストールした際にデフォルトで導入されているもので、特に意味はありません。

ColorfulBox と mixhost の「LiteSpeed Cache」は、各社で提供しているものではありませんが、Web サーバーに「LiteSpeed」を利用しているサーバーでしか使えないことと、各社が公式に推奨していることから使用しました。

また、基本的に月額料金が 1,000~2,000円程度のプランを検証の対象としています。


WordPressサイトの最速の表示速度比較

では、WordPress サイトの表示速度を比較してみましょう。

チェックする項目は「平均表示速度」で、それを元に順位付けしています。

また、同月にサーバーの初期設定の状態(デフォルト)で計測したデータとその差分もあわせて掲載します。

サーバー別のWordPress表示速度を独自調査データで比較


サーバーの高速化機能を利用したWordPress最速比較

WordPressサイトの最速の表示速度比較

総合順位 サーバー名
(プラン名)
デフォルト
(秒)
高速化後
(秒)
差分
(秒)
1 エックスサーバー
(X10)
1.29 1.22 +0.07
2 ColorfulBox
(Box2)
1.08 1.30 -0.22
3 ConoHa WING
(ベーシック)
1.40 1.34 +0.06
4 mixhost
(スタンダード)
1.51 1.68 -0.17
5 heteml
(ベーシック)
1.96 1.77 +0.19
6 ロリポップ!
(ハイスピード)
1.55 1.78 -0.23

※無断転載禁止



まず、上位のエックスサーバーColorfulBoxConoHa WING の 3つは近年トップを争っている代表するレンタルサーバーですので、高速化機能を使用してもしっかり上位を占めています。

ただ、差分を見るとわかるように、高速化機能の利用によって速くなったサーバーと逆に遅くなっているサーバーがそれぞれ見られます。

高速化できているのは、エックスサーバーConoHa WINGheteml の 3つです。

一方、逆に遅くなっているのは、ColorfulBoxmixhostロリポップ!の 3つ。

ただ、昨年のように 1秒近い差が出ている状況ではないため、今回のデータだけ見るといずれも誤差の範囲といっても差支えないレベルではあります。

その中でも、昨年も今年も高速化できているエックスサーバーは、その実力が確かなものであるといっていいでしょう。

逆に、以前から「LiteSpeed Cache」利用時に測度低下やブレの拡大が見られる mixhost は、今回も若干の数値低下が見られました。大きな差ではないものの、mixhost での「LiteSpeed Cache」利用は慎重に考えたほうがいいかもしれませんね。


まとめ

以上のように、昨年に続き、エックスサーバーがトップになりました。エックスサーバーで利用できる、Xアクセラレータやサーバーキャッシュなどの高速化機能は積極的に使用したいものですね。

もちろん、同じツールを使用したとしても、収容されているサーバー固有の問題もあると思いますし、ユーザーが利用する WordPress のプラグインやテーマ、広告の量などによっても結果は変わってくる可能性はあります。

ただ、第三者の視点で客観的に調査したデータとして、より高速なサーバーを選ぶ際の参考になれば幸いです。


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