データで比較!レンタルサーバー最速選手権【2021】

データで比較!レンタルサーバー最速選手権【2021】

Web サイトの表示速度は、ユーザー体験や検索エンジンの評価に大きく影響するため、レンタルサーバー各社も速度向上に非常に力を入れており、独自の高速化機能を次々とリリースしています。

しかし、どの会社も「従来の●●倍!」と高速したことを謳っていますが、実際にその機能を利用したときに、どのサーバーが一番表示が速くなるのでしょうか。

当サイトで行っている定期計測では、できるだけ各レンタルサーバーそのものの力量を比較するために、「素」に近い状態(初期設定のまま)にしてデータを取り、以下のランキングにしています。

レンタルサーバー性能比較(安定性と表示速度の総合評価)

ここでは、例年に引き続き、各レンタルサーバーで利用可能な高速化機能を最大限に利用した場合に、WordPress でどれくらいの表示速度が出るのかを測定・比較してみました。

過去 3年間の測定結果は、以下の記事にまとめてありますので、あわせてご参照ください。

レンタルサーバー最速選手権!(高速化機能利用時の速度比較)

WordPress の表示速度調査実施概要

WordPress サイトの表示速度を調査するため、Site24x7 というサービスを利用しました。
(前年まで利用していた monitis がサービスを終了したため)

Site24x7 はサーバーをモニタリングするための数多くのサービスを提供していますが、ここでは Webページスピード(ブラウザー) という、ユーザーが実際にサイトの表示を行うのと同様の環境でサイトの読み込み完了までの時間をチェックできる機能を使用しています。

この機能で測定した、各サーバーにおける WordPress サイトの表示速度を比較します。

WordPress は、デザイン情報である「テーマ」、コンテンツ情報を含む「データベース」、画像などのデータを総合管理できるシステムですが、ユーザーからサイトを表示するリクエストがあるたびに、それらのデータを集め、サイトを構築し、データを送り返すという仕組みになっています。

そのため、サイトデータを送り返す Webサーバーだけではなく、WordPress を構成する言語である PHP やデータベースサーバーのパフォーマンスを含めた、レンタルサーバーの総合力が試されるシステムとも言えます。

そういう意味でも、WordPress の表示速度をチェックすることは、サーバーの真の実力を知ることにもつながる、と言っても過言ではないでしょう。

対象のサーバーと設定内容

今回比較しているのは、主に個人向けのサーバーの中でも人気があり、また新機能の導入にも積極的な高速化に力を入れている 6社のサーバーです。

サーバー名と利用した PHP のバージョンや高速化機能を以下の表にまとめました。
(※表中の各用語については、下に簡単に説明してあります)

サーバー名
(プラン名)
PHP ver.
(モード)
高速化機能
エックスサーバー
(X10)
PHP 7.4
(FastCGI)
Xアクセラレータ V2
サーバーキャッシュ
ブラウザキャッシュ([CSS/JavaScript以外])
ColorfulBox
(Box2)
PHP 7.4
(LSAPI)
LiteSpeed Cache
heteml
(ベーシック)
PHP 7.4
(モジュールモード)
コンテンツキャッシュ設定
(WPキャッシュ機能)
ConoHa WING
(ベーシック)
PHP 7.4
(LSAPI)
コンテンツキャッシュ(すべてのコンテンツ)
ブラウザキャッシュ
ロリポップ!
(ハイスピード)
PHP 7.4
(LightSpeed)
ロリポップ!アクセラレータ
mixhost
(スタンダード)
PHP 7.4
(LSAPI)
LiteSpeed Cache

各高速化機能の概要

  • キャッシュ:一時的にサーバーなどにコンテンツを記録しておくこと
  • FastCGI:PHP を従来の CGI モードのままモジュール版と同等の速さに高速化できる機能
  • Xアクセラレータ V2:「Webサイトの表示速度向上」+「同時アクセス数の大幅拡張」のエックスサーバー独自機能
  • LSAPI (LiteSpeed Server Application Programming Interface)):FastCGI に似た、Web サーバーとのやりとりを効率的に行える高速でスケーラブルなサーバーインターフェイス
  • モジュールモード:CGI モードより PHP を高速で処理できる機能
  • LiteSpeed Cache:Webサーバー「LiteSpeed」で利用できる WordPress 用のキャッシュプラグイン
  • コンテンツキャッシュ:サーバー側でコンテンツを一時的に記録(キャッシュ)して高速表示する機能
  • ブラウザキャッシュ:ユーザーのブラウザ側にコンテンツの一部をキャッシュさせて高速化表示する機能
  • ロリポップ!アクセラレータ:専用のキャッシュサーバーでコンテンツを一時的に記録(キャッシュ)しておき、高速表示するロリポップ!独自の機能

測定条件の詳細

今回測定を行った環境や条件ですが、すべてのサーバーに全く同じ内容の WordPress サイトを構築しています。
以下が、その詳細条件です。

WordPress のバージョンver. 5.7
WordPress のテーマTwenty Twenty
WordPress プラグインWP Multibyte Patch / Akismet / Hello Dolly
コンテンツ内容WPテーマユニットテスト
(すべてのコンテンツをトップページに表示した状態)
測定ツールSite24x7
測定元サーバー(東京)
測定期間7日間(2021年6月実施)
測定内容WordPress サイトの表示速度
(20分ごとに計測を実施)
測定状況の詳細日本国内のサーバーから Webサイトの表示を要求し、
サイトデータの取得完了までの時間を計測
測定用ブラウザは Google Chrome を使用
コンテンツ内の特定の文字列が取得できるかもチェック

プラグインに関しては、WordPress をインストールした際にデフォルトで導入されているもので、特に意味はありません。
また、テーマは例年最新のものを適用しているのですが、最新の2021年版「Twenty TwentyOne」がデフォルトでトップページに動画などのコンテンツを表示しない設定になってしまい、負荷が低すぎるため、2020年版の「Twenty Twenty」を使用しています。

ColorfulBox と mixhost の「LiteSpeed Cache」は、各社で提供しているものではありませんが、Web サーバーに「LiteSpeed」を利用しているサーバーでしか使えないことと、各社が公式に推奨していることから使用しました。

また、基本的に月額料金が 1,000~2,000円レベルのプランを検証の対象としています。

WordPressサイトの最速の表示速度比較

では、WordPress サイトの表示速度を比較してみましょう。

チェックする項目は「平均表示速度」で、それを元に順位付けしています。
また、同じ月にサーバーの初期設定の状態(デフォルト)で計測したデータと、その差分もあわせて掲載します。

サーバーの高速化機能を利用したWordPress最速比較

WordPressの速度比較一覧【2021】
総合順位サーバー名
(プラン名)
デフォルト(秒)高速化後(秒)差分(秒)
1エックスサーバー
(X10)
3.663.52+0.14
2ロリポップ!
(ハイスピード)
3.903.66+0.24
3ColorfulBox
(Box2)
3.573.71-0.14
4mixhost
(スタンダード)
4.263.85+0.41
5heteml
(ベーシック)
4.133.86+0.27
6ConoHa WING
(ベーシック)
3.803.92-0.12
※無断転載禁止

いずれのサーバーも高速化機能を提供しているほか、基本的に性能が高いところなので、トップと再開位の差がたったの 0.4秒と、ほとんど僅差と言っていいレベルですね。

まず、上位の エックスサーバーColorfulBox は例年通り上位を占めていますが、ここに ロリポップ! が食い込んできました。

ロリポップ!は、近年特に高速化に力を入れており、その名の通り「ハイスピード」という名前のプランをリリースしたくらいですが、まさにその実力を発揮したと言えるかもしれません。

ConoHa WING は、過去 2年はトップを争っていたのですが、今回は残念ながら下位に落ちてしまいました。
ただ、デフォルトの設定であれば、3位に位置するため、やはり基本的に十分な力はもっていると考えられます。

なお、差分を見るとわかるように、高速化機能の利用によって速くなったサーバーと逆に遅くなっているサーバーがそれぞれ見られますが、こちらもおおむね 0.1~0.3 秒程度なので、誤差の範囲と言っていいでしょう。

また、例年「LiteSpeed Cache」利用時に測度低下やブレの拡大が見られる mixhost は、今回は数値低下は見られませんでした。
もしかしたら、何か調整が入ったのかもしれませんが、引き続き注視していきたいと思います。

まとめ

以上のように、3年連続で エックスサーバー がトップになりました。エックスサーバーで利用できる、「Xアクセラレータ」や「サーバーキャッシュ」などの高速化機能は積極的に使用したいものですね。

もちろん、同じツールを使用したとしても、収容されているサーバー固有の問題もあると思いますし、ユーザーが利用する WordPress のプラグインやテーマ、広告の量などによっても結果は変わってくる可能性はあります。

ただ、第三者の視点で客観的に調査したデータとして、より高速なサーバーを選ぶ際の参考になれば幸いです。

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