オンラインストレージ向けのレンタルサーバー



複数の PC 間のデータの同期、また取引先や友人とのファイル共有などを目的として、ネットで利用できる「オンラインストレージ」サービスを利用している人は多いでしょう。

一般的には、オンラインストレージ専用のサービスを利用している人がほとんどだと思いますが、普段 Webサイトの公開やメールサーバーとして利用しているレンタルサーバーも、オンラインストレージやファイルサーバーとして利用することが可能です。

ここでは、オンラインストレージ(ファイルサーバー)の概要と、レンタルサーバーをデータの保管場所として利用する場合にチェックすべきポイントの説明、最後にオンラインストレージとしての利用にオススメのレンタルサーバーの紹介をしていきます。


オンラインストレージとファイルサーバー

オンラインストレージとは?

「オンラインストレージ」とは、インターネット上にファイルを保管できる物置き場、保管庫のことです。

一般的に広く使われているのは、Google の Google Drive、Microsoft の OneDrive をはじめとした大手が提供するサービスや Dropbox などのオンラインストレージ専用のサービスでしょう。

これらの多くは、ある程度の容量まで無料で使えるところが多く、その容量も年々増加しています。また、Dropbox や OneDrive などは、自動で PC 上のファイルを同期し、バックアップしてくれるなど、非常に使い勝手がよく、高機能です。

しかし、無料であったり、ユーザーが多いがゆえに、情報漏えいなどの危険性を感じる人もいるでしょう。実際に Dropbox では 2012年に情報漏えい事件が発生しました。



また、近年ハードディスクの大容量化、低価格化に伴い、レンタルサーバーで提供されるディスク領域も急速に増加しました。

そのため、レンタルサーバーを借りていても、Webサイトやメールなどの通常の利用方法だけではディスク領域を十分に使い切ることはできない人がほとんどだと思います。

そこで、せっかく料金を支払って利用している残りのディスク領域を、ストレージやファイルサーバーとして利用したいという考える人も多いのではないでしょうか。

以前はディスク領域が非常に小さかったので、サーバーのディスクをファイルサーバーとして利用することは推奨されない傾向がありましたが、現在はサーバー自体のスペックも向上してきているため、割合安価なサーバーでもサーバー内に Webサイトやメールデータ以外のファイルの保管を認めるような流れになってきています。


オンラインストレージとファイルサーバーの違い

ところで、「オンラインストレージ」に似た言葉で、「ファイルサーバー」という言葉があります。どちらも同じようなイメージで捉えられることが多いと思いますが、その違いとは何でしょうか。



まず、「オンラインストレージ」とは、「インターネットを介して利用できるデータの保管庫」のことを指します。

一方、「ファイルサーバー」とは、「ファイルなどのデータを保管するために用意されたサーバー」のことです。必ずしもインターネットに接続されている必要はなく、社内LAN の中だけに構築されることも多いです。

ファイルサーバーは、Webサーバーやメールサーバーと同様に、基本的にはファイルサーバー用のソフトをサーバーの OS にインストールして利用します。



まとめると、「ファイルサーバー」を利用してインターネット上にファイルを保管できるサービスのことを、「オンラインストレージ」と呼ぶ、と言えます。


レンタルサーバーをストレージとして利用する場合のチェックポイント

では、次に一般的な共用サーバーをデータの保管庫として利用する場合のチェックポイントを見ていきましょう。

ストレージとしての利用可否

近年は、レンタルサーバー上で Webサイトやメールで運用する容量よりも、ディスク容量のほうが圧倒的に多いため、ほとんどのサーバーではサーバー上にファイルを保管することを規約等で禁止していません。

しかし、中にはファイルの保存を目的として使用することを禁止しているレンタルサーバーもありますので、大容量のファイルなどを保存する際には、念のため使用しているレンタルサーバーの規約などを確認しておきましょう。

なお、当サイトで紹介しているレンタルサーバーのストレージとしての利用可否については、以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせて確認してください。

レンタルサーバーの非公開領域とストレージとしての利用比較


公開領域と非公開領域

次に、レンタルサーバーをストレージとして利用する場合に確認しておきたいのが、サーバー上の「公開領域」と「非公開領域」です。



公開領域とは、基本的にインターネットからアクセスできるような設定になっているサーバー内の領域のことで、逆に非公開領域はインターネットからはアクセスできないようにサーバーの設定で保護されている領域のことです。

公開領域にファイルがあるからと言って、必ずしも誰でも簡単にアクセスできるわけではありませんが、アクセスしようと思えばアクセスできる状態にあることは確かです。

そのため、もし誰にも見られたくないようなファイルを保存するのであれば、非公開領域が用意されているレンタルサーバーを使うほうが安全です。



もし、公開領域にファイルを保存するのであれば、保存するディレクトリのパーミッションを変更して外部からアクセスできなくするなどの工夫が必要でしょう。

また、レンタルサーバー内に保管するファイルは、セキュリティや業務上の理由から、当然サーバーの管理会社の人は閲覧できます。そのため、管理者にも見られると都合が悪いファイルなどがある場合は、さらに保管するファイル自体を暗号化するなどして、自分以外は中身を見られないようにする工夫も必要になります。


複数ユーザー間の共有

もし、サーバー上に置いたファイルを複数人で共有したい場合は、「レンタルサーバーにアクセス可能なユーザー」を複数作成できる機能があるとより便利、かつ安全です。

複数ユーザーを作成できるレンタルサーバーの場合、ユーザーごとにアクセスできるディレクトリ(サーバー内の領域)を設定することができます。

各ユーザーに共有したいファイルが置かれているディレクトリのみにアクセスできるように設定することで、Webサイトやメールなど、他人に触ってほしくないデータのある領域にアクセスできないようにすることが可能です。


ディスク容量と転送量制限 

格安のサーバープランでもディスクはGB単位になっているとはいえ、もし大容量のファイルを保存したいのであれば、ディスク容量は大きいほうがいいです。

そのため、使用するレンタルサーバーのディスク容量が、Webサイトとメールの運用分を差し引いても十分空きがあるかもチェックしておきましょう。



また、サーバーとのやり取りをする際のデータの量である「転送量」にも制限があるところがあります。

転送量は無制限になっているサーバーも増えていますが、実際は日単位や月単位である程度の目安があり、その上限を超えると Webサイトの閲覧が制限されてしまうことがあります。

基本的に転送量とは Webサイト閲覧の際のデータ量を指しますのでので、大人気のサイトで閲覧数が規定以上でなければ、ある程度の量のデータをやりとりしても問題ありません。

しかし、短い期間内に大量のデータをサーバーにアップロードしたり、ダウンロードすることがあれば、何らかの制限がかかる可能性もありますので、そのような使用方法をする可能性がある人は、転送量制限もチェックしておきましょう。



なお、サーバーによってはサーバー上に保管できるファイル数に制限を設けているところもありますので、あわせてチェックしておきたいところです。

転送量や保存可能なファイル数の上限・目安については、サイトのメインページにはなく、ヘルプやFAQなどにしか書かれていないことが多いので、確認する際にはそういったヘルプページを検索してみるといいでしょう。


レンタルサーバーをオンラインストレージとして利用する 3つの方法

では、レンタルサーバーをオンラインストレージとして利用する方法を見てみましょう。

レンタルサーバーをストレージにし、ファイルのやり取りをするには、主に以下の 3つの方法があります。


  • WebDAV(パソコン上のフォルダのように使える機能)
  • スマホの専用アプリ
  • FTP(ファイルをサーバーに転送する機能 主に専用ソフトを利用)



まず、「WebDAV(ウェブダブ)」ですが、普段利用しているパソコンに簡単に設定を行うだけで、パソコン上のフォルダと同じ感覚でファイルのやり取りを行えるようにする機能です。この機能は設定自体も簡単ですし、利用する際も非常に楽に利用できます。

「スマホアプリ」は、サーバー会社が用意したアプリを利用して、スマホからサーバーにアクセスする方法です。スマホからだけ利用でき、パソコンからは利用できませんが、ちょっとした画像ファイルなどをバックアップするには非常に便利です。

一方、「FTP」 はサーバー上にファイルをアップロードする際に利用するもので、一般的には FTP専用のソフトを利用する必要があります。(一応 FTPソフトを使わずにアクセスする方法もありますが、ここでは省略します)

FTP より WebDAV のほうが気楽に使えますが、対応しているレンタルサーバーはそれほど多くはありません。FTP であれば、すべての会社が対応しています。


オンラインストレージにオススメのレンタルサーバー

ここまで説明した、オンラインストレージとして使用するための条件を考慮すると、最もオススメのレンタルサーバーは、「mixhost」「heteml」です。

この 2つのレンタルサーバーには、以下のすべての条件が揃っています。


  • 非公開領域がある(外部から覗かれる心配がない)
  • 複数ユーザーが作成できる(第三者にファイルの共有がしやすい)
  • WebDAV が利用できる(PC のフォルダのように簡単に利用できる)



どちらも、サーバー自体のパフォーマンスと安定性が非常に高い、トップレベルのレンタルサーバーですので、Webサイト やメールの運用を行い、さらにオンラインストレージとしても利用したい、という欲張りなユーザーにピッタリのサーバーです。



heteml と同系列の「ロリポップ!」でも WebDAV 機能は使えますが、非公開領域がなく、複数ユーザーも作成できないため、ロリポップ!を使うのであれば、自分のファイルを個人的に保存する用途に使う形がいいでしょう。



一方、スマホからファイルをアップしたいのであれば、「さくらのレンタルサーバ」がオススメです。

さくらインターネットが提供しているスマホアプリ「さくらポケット」は、使い勝手もよく、スマホの容量を減らすために画像をアップしたり、ちょっとしたメモを PC と共有するのには最適です。

さくらのレンタルサーバも、レンタルサーバーとしては老舗で、高いサービスや安定性には定評があります。

「さくらポケット」 v.s. 「WADAX App」スマホアプリ比較



なお、共用サーバーではなく、やはり専用のオンラインストレージサービスがいいのであれば、「drivee(ドライビー)」がオススメです。

ドライビーは、WebDAV が利用できますし、セキュリティも高く、ファイル共有もできるため、非常に使い勝手がいいです。提供元も、信頼性が高く、ユーザーを大切にすることで有名な「エックスサーバー株式会社」のため、安心して利用できます。



オンラインストレージ(ファイルサーバー)としてのレンタルサーバー機能比較