オンライストレージとしてのレンタルサーバー比較



近年レンタルサーバーのディスク容量は急速に増大しました。そのため、使用していないサーバー内の領域をオンラインストレージ(ファイルサーバー)として利用できないか、と考える人も多いことでしょう。

実際、現在提供されている共用サーバーのディスク容量は数十~数百GB になっており、Webサイトやメールの運用だけで使い切るのはなかなか難しいです。その余った領域をファイルの保存やファイルの受け渡しに使用することができれば、レンタルサーバーをより活用できることにつながります。

そこで、当サイトで紹介しているレンタルサーバーの中で、オンラインストレージとして利用可能なサーバーについて、その機能の詳細を比較してみたいと思います。



なお、オンラインストレージやファイルサーバーとは何か?という概要などについては、オンラインストレージ(ファイルサーバー)向けのレンタルサーバーを、ファイルサーバーとして利用して問題がないか、という点については、レンタルサーバーの非公開領域とストレージとしての利用比較を参照してください。


レンタルサーバーをオンラインストレージとして利用する3つの方法

共用サーバーは、Webサイトの公開とメールの利用がその主たる目的ですが、その共用サーバーをオンラインストレージとして利用することも可能です。ストレージとして利用する方法としては、以下の 3つがあります。


  • WebDAV(パソコン上のフォルダのように使える機能)
  • スマホの専用アプリ
  • FTP(ファイルをサーバーに転送する機能 主に専用ソフトを利用)



FTP はどこのレンタルサーバーでも利用可能ですが、WebDAV やスマホアプリなどの利用可否はレンタルサーバーによって異なります。

以下にレンタルサーバー各社における、各機能の対応状況や関連する機能などの情報を確認し、比較していきましょう。


WebDAV 対応のレンタルサーバー

レンタルサーバーをストレージとして使用する際に、もっとも簡単に利用できるのはが、この WebDAV(ウェブダブ)の機能です。

WebDAV は設定を行うことで、サーバーの領域をパソコンのフォルダと同じ感覚で利用できるようにする機能で、設定も簡単で、気軽に利用できるため、日常的にファイル保存をするにはおすすめの機能です。

当サイトで紹介しているレンタルサーバーで WebDAV に対応しているは、以下の 4つのみです。


  • mixhost
  • heteml
  • ロリポップ!
  • WebARENA



専用サーバーやクラウドであれば、カゴヤやさくらインターネットなどでも WebDAV は利用できますが、共用サーバーで WebDAV に対応しているのはそう多くありませんね。

WebARENA に関しては、Windows Vista 以降の OS では利用できないことがあるようです。実際に Windows 7 や 8 で試しましたが、うまく動作しませんでした。そのため、現時点では実質的には利用できないと言っていいかもしれません。



では、WebDAV でファイルを保存するうえで、同時に確認しておきたいのは、「非公開領域」「複数ユーザー」の作成可否です。


  • 非公開領域:第三者がアクセスできないディスク領域・ファイルの保護上非常に重要
  • 複数ユーザー:契約者以外にディスク領域にアクセスできるユーザーの作成有無・ファイル共有が行いやすくなる



ファイルを安全に保存するためには、非公開領域が作成できるほうがいいですし、他のユーザーとファイルのやり取りをするのであれば、複数ユーザー作成が可能である必要があります。



では、次に WebDAV が利用できるレンタルサーバーでの、非公開領域と複数ユーザーの対応状況を確認してみましょう。


サーバー名 非公開領域の有無 複数ユーザー作成可否
mixhost
heteml
ロリポップ! × ×
WebARENA



この中で、非公開領域があり、複数ユーザー作成ができるのは、mixhost と heteml です(WebARENA は実質利用不可のため除外)。この 2つのサーバーであれば、安全にファイルを保管でき、他のユーザーとのファイルのやりとりを行うこともできます。

一方、ロリポップ!はどちらの機能もありません。非公開領域については、一応ディレクトリにアクセス制限を行えば、外部から簡単に侵入できないようにすることはできますが、複数のユーザーは作成できないため、基本的には自分のファイルのバックアップ場所などに使うのに向いているといえるでしょう。



また、ファイルを大量に保存したいケースを考慮し、サーバーのディスク容量と転送量もチェックしておきましょう。

転送量というのは、サーバーとのデータのやり取りを行ったデータ量のことで、レンタルサーバーの場合、この転送量に上限目安というものがあり、転送量が一定以上になると、サーバーへのアクセス制限が行われることがあります。

近年は、転送量を無制限とするサーバーも増えてきましたが、それでもある一定量を超えると、アクセス制限が行われる可能性が高いです。

また、転送量に含まれるデータのやり取りは、自分が公開した Webサイトへのアクセスがメインですが、FTP によるデータ量も含む会社もあります。基本的には、サイトへのアクセス数が多くなければ、アクセス制限は行われないと考えていいですが、サーバーへのファイルのアップロード量が多いと制限される可能性もあります。


サーバー名 ディスク容量 転送量上限目安
mixhost ・エコノミー:10GB
・スタンダード:30GB
・プレミアム:48GB
・ビジネス:72GB
・ビジネスプラス:96GB
・エコノミー:30GB/日
・スタンダード:60GB/日
・プレミアム:90GB/日
・ビジネス:120GB/日
・ビジネスプラス:150GB/日
heteml ・ベーシック:200GB
・プラス:300GB
・ベーシック:70GB/日
・プラス:120GB/日
ロリポップ! ・エコノミー:10GB
・ライト:50GB
・スタンダード:120GB
・エンタープライズ:400GB
・エコノミー:40GB/日
・ライト:60GB/日
・スタンダード:100GB/日
・エンタープライズ:無制限
WebARENA 300GB/450GB 無制限



以上のように、プランによってディスク容量や転送量の目安も大きく異なります。

大量のデータを保存したいのであれば、ディスクが大容量のプランが必要ですが、日常的に利用している軽いファイルの保存程度であれば、最安のプランでも十分でしょう。


スマホの専用アプリ

スマホの専用アプリを使用して、スマホ上のデータを保管したり、サーバーにアクセスできる機能を使用する場合です。

こういった機能を提供しているのは、以下の 2社です。


  • さくらポケット(さくらインターネット)
  • WADAX App(WADAX)



スマホのアプリを使用すると、スマホからレンタルサーバーのディスク領域にアクセスできるので、スマホで撮った画像などをそのままサーバーに保存できます。スマホの容量が少なめな人や、写真や動画を頻繁に撮る人にとっては、かなり重宝する機能ですね。

「さくらポケット」では、サーバー内にアプリ専用のディレクトリが用意されており、これが非公開領域になっているので、安心して利用できます。



一方、WADAX の場合は、ファイル保存用のアプリというより、スマホから利用できるファイルマネージャー機能(サーバー上のファイルをブラウザなどから簡単に操作できる機能)といったイメージです。

そのため、スマホからログインした場合も、普通に HTML ファイルなどが保管されているユーザーのディレクトリにログインします。

非公開領域はあらかじめ用意されていないため、自分で作成する必要はありますが、非公開領域を作ることは可能です。

これらのアプリに関する詳細については、以下の記事もあわせて参照してください。

「さくらポケット」 v.s. 「WADAX App」スマホアプリ比較


FTPソフトの利用

FTP(File Transfer Protocol)は、ファイルをサーバーとやり取りするための通信規格のことで、一般的に Webサイトのデータをサーバー上にアップロードしたり、ダウンロードする際に使用します。多くの場合、FTP の専用ソフトを使用して、ファイルのやり取りを行います。

FTP を使用できないレンタルサーバーはないため、規約上などでサーバー上にファイルの保存を行っても問題がないサーバーであれば、この FTP ソフトを使用して、任意のファイルをサーバーにアップロードすることが可能です。

なお、FTPの場合も、安全に保存するには非公開領域があったほうがいいですし、他の人とファイルをやり取りするには、複数のユーザーが作成をできる必要もあります。

ただ、FTP専用のソフトをインストールする必要がありますので、簡単にファイルのやりとりをするのにはあまり向いているとは言えません。やはり WebDAV 対応のレンタルサーバーを利用するほうがいいでしょう。


まとめ

以上、共用サーバーをオンラインストレージとして利用する場合に利用できる機能などを比較してみました。

ファイルの共有や保管をする目的でレンタルサーバーを利用するのであれば、やはり WebDAV が一番簡単で、使い勝手もいいです。

また、ファイルを安全に保管するためには非公開領域があるサーバーを使いたいところですし、日常的に他の人とファイルを共有するのであれば、複数のユーザーを作れることが管理上重要です。

以上の「WebDAV」「非公開領域」「複数ユーザー」の 3点をすべてあわせ持つレンタルサーバーは、現時点では mixhost と heteml です。

どちらも、サーバー自体のパフォーマンスが非常に高い、トップレベルのレンタルサーバーですので、Webサイト やメールの運用を行い、さらにオンラインストレージとしても利用したい、という欲張りなユーザーにはオススメです。



mixhost(ミックスホスト)の検証・評価レビュー
heteml(ヘテムル)の検証・評価レビュー