「MariaDB」とは?MySQLとのパフォーマンスの差と対応レンタルサーバーをチェック



これまでレンタルサーバーでは、主にオープンソースである MySQL(マイエスキューエル)がデータベースとして使われてきましたが、近年 MariaDB(マリアディービー)を採用するレンタルサーバーが増えつつあります。

MariaDB は MySQL から枝分かれしたデータベースシステムであり、MySQL よりもパフォーマンスが向上しているということで、多くのユーザーから期待されています。

今回は、その MariaDB の概要から、MySQL との機能の差とパフォーマンスの違い、MariaDB を採用しているレンタルサーバーなどについて紹介していきます。


MariaDB とは?

MariaDB は、MySQL から派生したオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(情報を効率的に管理できるシステム)で、いわば MySQL の妹分に当たります。

これまでレンタルサーバーで主に使用されていたのは MySQL ですが、今後はこの MariaDB が主流になっていくと考えられています。

実際すでに、Google がシステムに MariaDB を採用しているほか、Fedra、Red Hat、CentOS や Debian など、Linux の主要なディストリビューションも、データベースを MySQL から MariaDB に移行しています。



MariaDBは、もともと MySQL のオリジナルコードの作者でもある Michael “Monty” Widenius によって作られた、MariaDBプロジェクトによって作成されています。また、プロジェクトには Widenius 以外にも MySQL に関わっていたメンバーが多数参加しているため、MySQL 自体も更新は続けていますが、ある意味 MySQL の正当な後継と言っていいかもしれません。

なお、MySQL の名称である “My” は、Widenius の長女の名前から、MariaDB の “Maria” は次女の名前から取られていますので、まさに「妹」と言って差し支えない存在ですね。また、Widenius は、長男の名前 “Max” も “MaxDB” として用いています。(Max は前妻との子供、My と Maria は2番目の妻との子供だそうです)


MySQLとMariaDBの違いは?

MariaDB は MySQL と比較して、どのような点が異なるのでしょうか。

まず、MariaDB の主な特徴を挙げてみます。


  • MySQLとの高い互換性(インストール方法やディレクトリ構造がほぼ同じ)
  • セキュリティ面・頑健性・パフォーマンスが向上
  • 拡張性・処理性能・品質が向上



当初、MariaDB は MySQL の不具合を定期的に修正し、反映するという作業がメインになっていましたが、MySQL がバージョン 5.6 に移行した際、大規模なリファクタリング(プログラムの動作を変えずに、プログラムを変更)を行ったために、それ以降 MySQL をベースとした改善を進めることが困難になりました。

そのため、MariaDB は 10.0 としてリリースしたのちは、MySQL の中から必要な要素を取り込みつつも、独自の機能を加えていくといった流れになっていますので、今後はその違いも大きくなってくるかもしれません。



具体的な機能の違いとしては、専門的な内容になりますが、以下のような点が挙げられます。


  • ストレージエンジンの追加
  • オプティマイザの強化
  • 各種機能の追加



さらに細かい点については、以下のページが参考になります。

MariaDBとMySQLとの比較


MariaDBを採用しているレンタルサーバー

MariaDB は、国内ではまだ採用している共用サーバーは少ないですが、国内では2016年にサービスリリースをした mixhost が先行して導入しています。

以下が、当サイトで紹介しているレンタルサーバーにおける MariaDB の対応状況です。


使用可能なデータベース
エックスサーバー MariaDB(新規サーバー)
mixhost MariaDB
CPI MySQL
お名前.comサーバー MySQL
ロリポップ! MySQL
sixcore MySQL
カゴヤ MySQL/PostgreSQL
heteml MySQL
ABLENET MySQL/PostgreSQL
WebARENA MySQL/PostgreSQL
さくらのレンタルサーバ MySQL
スターサーバー MySQL
WADAX MySQL/PostgreSQL
iCLUSTA+ MySQL
Bizメール&ウェブエコノミー MySQL

※2017年10月現在



また、前述のように Linux のディストリビューションが導入していることもあり、VPS であれば、さくらインターネットなどでも導入されており、利用が可能です。


MariaDBとMySQLのベンチマーク比較

MariaDB は MySQL と比較してもパフォーマンスが高いということですが、実際にどの程度の変化があるのか見てみましょう。

ニフティクラウドのエンジニアチームによる検証結果

まず参考になるのが、ニフティクラウドのエンジニアチームによる、以下の結果です。

MariaDB のリリースとそのベンチマーク結果取得

「ベンチ1. シングル構成」と「ベンチ3. スレッドプール」の後半の検証データがわかりやすいですが、MariaDB のほうが MySQL と比較してよい結果が出ており、「MariaDBに関して、MySQLと同等かそれ以上の性能を出してくれそうです。」と結論づけられています。

当サイトによるベンチマーク結果

では、次に当サイトによるベンチマークの結果を見てみましょう。

こちらは、ニフティによる検証のように、同じ環境で MySQL と MariaDB を比較したものではないため、純粋にデータベースの違いだけを確認できるものではありませんが、MariaDB のパフォーマンスの高さを垣間見ることができるかもしれません。

データベースのパフォーマンスをベンチマークテストで比較【2017年版】(PHPspeed)



ベンチマークツールには、PHP で動作するアプリケーションやデータベース、サーバー自体のパフォーマンスなどを総合的にチェックできる PHPspeed を用いており、その中でデータベースの処理に関する以下の 2つのテストのデータをあわせて比較しています。


  • Synthetic MySQL Test(総合的な MySQL テスト / どれだけ早くデータベースに読み書きできるかをテスト)
  • Real World PHP w/ MySQL Test(MySQLを用いた PHP の実環境テスト / MySQL へのアクセスを含めた 4つの違ったサイズの PHP ページを読み込む時間を計測)



今回はその結果の中から、総合の上位5位までの結果を抽出します。


Synthetic MySQL Test 順位 Real World PHP w/ MySQL Test 順位 総合順位
mixhost 13,903 2 8,371 4 1
heteml 3,644 6 9,014 3 2
WADAX 5,629 3 7,730 6 2
エックスサーバー 2,451 8 9,952 2 4
WebARENA 16,600 1 5,297 9 4



この中では、mixhost と エックスサーバーが MariaDB を採用していますが、mixhost は 2つのテストの総合で堂々の1位を獲得しています。一方、エックスサーバーは “Synthetic MySQL Test” の成績はそれほどではありませんが、実環境テストでは 2位になっていますので、実際に使用するうえでのスピードはかなり期待できることがわかります。

もちろん、このデータは先に書いたように、純粋なデータベースだけのパフォーマンスを比較したものではないため、一概に MariaDB だけの優位性を示すものではありませんが、MariaDB を採用しているサーバーにおけるデータベースのパフォーマンスの高さを確認することはできました。


まとめ

以上、MariaDB の概要とそのパフォーマンスについてチェックしました。

MariaDB は MySQL の派生であり、今後のスタンダードになっていくオープンソースのデータベースであること、また実際により高いパフォーマンスが期待できることなどを確認することができました。

現時点では、まだ MariaDB を採用している共用サーバーは数少ないですが、エックスサーバーのように、今後は MariaDB に切り替えていくレンタルサーバーが増えていくでしょう。

mixhost と エックスサーバーでは、実際に MariaDB の高いパフォーマンスを確認することができます。特に mixhost は30日間という、業界最長のお試し期間もありますので、一度試してみるのもいいでしょう。



mixhost(ミックスホスト)の検証・評価レビュー

エックスサーバー「X10」の検証・評価レビュー