サーバー基盤システムを刷新したsixcore(シックスコア)の実力を徹底検証・比較!

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サーバー基盤システムを刷新したsixcore(シックスコア)の実力を徹底検証・比較!

2017年4月12日にエックスサーバー株式会社の sixcore(シックスコア)が、サーバーの基盤システムをリニューアルしました。

ご存じのとおり、sixcore はネットビジネスユーザーに人気が高いエックスサーバーの上位サービスですが、当サイトによる2017年3月のサーバーパフォーマンスの検証では、総合評価ランキングで安定性 7位、サーバーの処理パフォーマンスで 4位と、それほど高い結果を出せませんでした。

そこで、今回は新環境における sixcore のサーバーの実力を各種ベンチマークツールでチェックし、前回の検証結果と比較してみたいと思います。さて、どのくらいサーバーのパフォーマンスがアップしたのでしょうか?

なお、今回のサーバー環境の具体的な変更点については、以下の記事をご覧ください。

sixcore(シックスコア)がサーバー基盤システムを刷新!パフォーマンス向上に期待

新サーバー環境のパフォーマンスをベンチマークツールでチェック

では、早速新たなサーバー環境のパフォーマンスがどのくらいアップしているのかを、ベンチマークツールでチェックし、以前の環境のパフォーマンスと比較してみましょう。

今回比較するのは、2017年3月に実施した旧サーバー環境と4月12日以降の新サーバー環境の検証データで、以下の内容をチェックします。(カッコ内は利用したツール)

  • Webサーバーの安定性(Monitis)
  • PHP のパフォーマンス(PHP Benchmark、PHPspeed)
  • データベースのパフォーマンス(PHPspeed)
  • Webサーバーのパフォーマンス(ApacheBench、PHPspeed)
  • サイトの表示速度(GTmetrix)

まずは、Webサーバーの安定性(Monitis)のデータから見ていきましょう。

Webサーバーの安定性

Webサーバーが安定してサイトの表示をしてくれているか、という点をチェックするために、サーバーの死活監視を行える Montis というサービスで、HTTP リクエスト(Webサイトの表示をするためのやりとり)のモニタリングをしました。

モニタリングの結果はグラフになっていて、縦軸が応答時間(単位は ms(ミリ秒))、横軸が時系列(薄い縦棒が日の区切り)になっています。(グラフの画像をクリックすると拡大して見ることができます。また、拡大した画像は、ブラウザの戻るボタンで本文に戻れます)

また、線の色やポイントに関しては、以下のような意味です。

  • 紫の線:日本のサーバーへの応答状況
  • 赤い点:Webサーバーからの応答を受け取れなかったポイント

応答時間が速く、応答なし回数が少ないほうがより安定性が高いと言えるため、グラフの位置が下で、上下動が少なく、赤丸が少ないほうが安定しているということになります。

前回行った検証の詳細記事はこちら(Webサーバーの安定性と応答速度をツールで比較(monitis)【2017年版】

リニューアル前のサーバー環境

sixcore(シックスコア)のWebサーバーからの応答状況

リニューアル後のサーバー環境

sixcore(シックスコア)のWebサーバーからの応答状況

最速(ms) 平均応答速度(ms) 応答なし回数(日本) 総合順位
リニューアル前 98 273 12 7
リニューアル後 87 169 0 1

※リニューアル前のデータで、グラフの赤丸の個数が表の応答なし回数と一致していないのは、グラフは1時間単位であるのに対し、表は1分単位での回数のため(1時間に複数回応答なしが発生しても、グラフでは赤丸は1個のみ)

グラフをパッと見ただけで、明らかに状況が変わっているのがわかりますね。

速度は大きく変化はないものの、上下動が少ないので安定していますし、なにより赤い丸点、つまり「サーバーから応答がなかった回数」が 0 になっています。表のほうでは、最速の応答速度、平均応答速度もともに向上していることがわかります。

そのため、応答なしの回数が 0 であれば、安定性はトップになるため、2017年3月時点の検証ではトータルで 7位だったのが、同じ検証データと比較すると一気に 1位に浮上する結果になりました。

PHPのパフォーマンスチェック

PHP の処理のパフォーマンスを測定するスクリプト「PHP Benchmark」と、PHP 単独の処理だけではなく、MySQL を利用した場合のパフォーマンスをチェックしたり、データの読み書きテストなども含めた、全部で 6つのテストを実施できる、「PHPspeed」を使用したベンチマークテストの結果です。

測定は、前回のデータと比較するため、同じ PHP5.6 にて行いました。数値とパフォーマンスの関係は、以下のように異なります。

  • PHP Benchmark:値が小さいほうがパフォーマンスが高い
  • PHPspeed(Synthetic PHP BenchMark と Real World PHP Test):値が大きいほうがパフォーマンスが高い

なお、「順位」と書いてある箇所に関しては、前回3月に実施した他のサーバーとの結果と比較して、今回の結果がどの順位にあたるのかを示したものです。前回よりも順位が上がっている項目は、パフォーマンスが向上したと言えます。

前回実施した測定の詳細記事はこちら(PHPのパフォーマンスをベンチマークテストで比較【2017年版】(PHP Benchmark/PHPspeed)

PHP benchmark 順位 Synthetic PHP BenchMark 順位 Real World PHP Test 順位 合計 総合順位
リニューアル前 15.6 3 14,029 4 13,200 6 13 3
リニューアル後 26 9 17,391 2 18,308 3 14 5

PHPspeed の二つの項目は前回よりパフォーマンスが向上していますが、最初の PHP Benchmark のパフォーマンスが逆に低くなっているので、トータルでは 3位から 5位へと下がってしまいました。

PHP Benchmark は、PHP を使用した単純な計算などを行うスクリプトなのですが、何らかの原因でパフォーマンスが落ちてしまったようです。これが一時的なものか、サーバー環境自体の問題なのかはわかりません。

ただ、PHP Benchmark よりも PHPspeed、特に Real World PHP Test は実環境における PHP のパフォーマンスを測るもののため、実際のパフォーマンスは向上していると言っていいでしょう。

データベースのパフォーマンスチェック

上でも使用した、「PHPspeed」のデータベースに関する 2つのテスト(Synthetic MySQL Test と Real World PHP w/ MySQL Test)の結果です。

ここで、利用するデータベースは MySQL で、共用サーバーでは WordPress と組み合わせて使われているデータベースの中で、圧倒的にシェアが高いものです。どちらも、値が大きいほうがパフォーマンスが高いです。

前回実施した測定の詳細記事はこちら(データベースのパフォーマンスをベンチマークテストで比較【2017年版】(PHPspeed)

Synthetic MySQL Test 順位 Real World PHP w/ MySQL Test 順位 総合順位
リニューアル前 2105 10 7,870 5 9
リニューアル後 2117 10 10,648 2 6

こちらは、Synthetic MySQL Test の結果はほぼ変化ないものの、Real World PHP w/ MySQL Test ではぐんと結果が良くなっています。こちらも Real World PHP w/ MySQL Test が実環境テストなので、実際のパフォーマンスはかなり向上していることがわかります。

総合順位も 9位から 6位へと上がりました

Webサーバーのパフォーマンスチェック

次は、Webサーバーのパフォーマンスを確認する ApacheBenchPHPspeed のテスト結果です。

ApacheBench はWebサーバーのソフトとして広く利用されている Apache に組み込まれている Webサーバーの性能を測定するための負荷テストツールです。一方、PHPspeed では、PHP や データベースを含むサーバーの処理速度を総合的に測定するテストである、「Server Benchmark」の結果を見ます。

いずれの結果も、値が大きいほうがパフォーマンスが高いです。

前回実施した測定の詳細記事はこちら(Webサーバーのパフォーマンスをベンチマークテストで比較【2017年版】(ApacheBench/PHPspeed)

HTTP Requests per second 順位 PHP Requests per second 順位 Server Benchmark 順位 合計 トータルランク
リニューアル前 569 5 41 4 4,390 8 17 4
リニューアル後 986 2 55 4 4,848 5 11 2

ApacheBench の「PHP Requests per second」はほぼ変わりありませんが、他の二つの項目はパフォーマンスが上がっています。特に「HTTP Requests per second」の数値は 2倍近くになっており、この項目でダントツ 1位のさくらインターネットに迫る勢いで、かなり速くなっていることがわかります。

そして、他のサーバーと比較した総合順位でも、元々4位と高い順位でしたが、見事 2位へと浮上しました。

WordPressサイトの表示速度比較

最後は、サイトの速度に関するパフォーマンスを確認できる GTmetrix を使用した、WordPress サイトの表示速度の比較です。

この検証では、WordPress で作成したサイトのページの読み込み速度を比較します。読み込み時間が少ないほうが速いため、「Page Load Time」の値が小さいほうがパフォーマンスが高いと言えます。

前回実施した測定の詳細記事はこちら(WordPressサイトの表示速度をレンタルサーバー各社で比較【2017年版】(GTmetrix)

Page Load Time 順位
リニューアル前 2.1 6
リニューアル後 1.2 1

こちらもぐんとパフォーマンスがアップし、なんと総合で 6位から、一気に 1位になるほどのパフォーマンスの向上を見せました。

トータルのパフォーマンス比較

最後に、安定性、パフォーマンス、それぞれのトータルの結果をまとめて比較してみましょう。(数字はすべて各項目における前回の検証結果に当てはめた順位)

安定性

総合順位
前回 7
今回 1

パフォーマンス

PHP データベース Webサーバー 表示速度 合計 順位
2017/3 3 9 4 6 22 4
2017/4 5 6 2 1 14 2

以上のように、安定性は 7位→ 1位、サーバーの処理パフォーマンスは 4位 → 2位と、かなりのパフォーマンス向上が見られました。

これで sixcore は、名実ともにトップの実力を持ったサーバーになったと言っていいでしょう。

サーバー基盤システムを刷新したsixcore(シックスコア)の実力を徹底検証・比較まとめ

以上、今回の sixcore のサーバー基盤刷新前後のパフォーマンスの検証と比較をしてみました。

今回はサーバーの CPU のスペックがアップしたこと、Apache と MySQL のバージョンがアップしたこと以外、パフォーマンスに大きく影響を与える変化はないため、すべてのパフォーマンスが向上したわけではありませんが、特に重要な安定性やサイトの表示速度などには大きな変化が見られました。

これまではやはりユーザーの多いエックスサーバーのパフォーマンスを上げていくのが最優先になっていましたが、これで sixcore もエックスサーバーと同等のパフォーマンスが出せるようになりました。また、sixcore はエックスサーバーよりも少ない収容人数で運用されていますので、エックスサーバーでもアクセスを捌ききれないような状況であれば、sixcore への移転も検討したいところですね。

Sixcore は新規申し込みを終了し、エックスサーバービジネスへ移行されました。
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