エックスサーバーがオールSSD化でさらに速度向上!表示速度比較でその実力を検証



2017年7月11日にエックスサーバーが、オールSSD化ストライピング・ミラーリング構成による、新サーバー環境の提供を開始しました。

エックスサーバーは、これまでもデータベースサーバーには SSD を採用していましたが、新たに Webサイト、およびメールデータの領域における記憶媒体にも SSD を採用したということになります。

SSD は従来の HDD と比較すると非常に高速で、自宅の PC の HDD を SSD に交換したとき、その速度の速さに感動すら覚えましたが、エックスサーバーによる調査でも、読み込み速度が 48倍、書き込み速度が 23倍にもなっているとのことです。

そこで今回は、新しいオールSSD環境で WordPress サイトの速度を確認し、以前検証を行った旧環境のデータと比較して、どのくらい表示速度に向上が見られるのかを確認してみました。


エックスサーバー・オールSSD化の概要

まず、エックスサーバーのオールSSD化の概要について、軽く確認していきます。

前述のとおり、エックスサーバーでは、すでにデータベースサーバーは SSD になっていましたが、今回は Webデータとメールデータを格納しているサーバーについても SSD に変更したということになります。

さらに、その SSDのデータ読み書きの効率をよりアップするため、「ストライピング」といって、複数のサーバーに分散してデータを書き込むことにより、一度に書き込み・読み込む能力を上げる方式を採用しています。



共用サーバーの場合、データーベースサーバーと Web領域のサーバーは別になっていることがほとんどで、データーベースサーバーのほうが記憶媒体内に散らばったデータを効率的に読み込む必要性が高いため、優先的に SSD化しているレンタルサーバーが多くあります。エックスサーバーもその一つでした。

そして、昨年サービスを開始した mixhost や 昨年オール SSD化を実施した heteml をはじめ、他社もどんどんオールSSD化を進めていますので、エックスサーバーも早い段階でオールSSD化は計画していたことと思います。

ただ、以前よりかなり安くなってきたとはいえ、やはり HDD と比較すると SSD は高価ですし、多数のサーバーを一気に入れ替えるとなると、かなりの巨額の投資が必要になります。(ちなみに、近年大規模災害が多く発生している中、エックスサーバー関連の会社は、大規模災害に有ったユーザーの費用を一部無料にしていたりもしますので、人気があるとはいえ資金繰りもそれほど楽ではないハズ)



なお、旧環境(HDD 環境)のサーバーに関しても、今年の秋以降に順次新環境に変更する予定とのことですが、旧環境も 2パターンに分かれており、以下の記事でも紹介した、「CPU 20コア+メモリ 192GB」の環境と、それ以前のサーバー環境で状況が若干異なります。


スペック オールSSD環境への移行
新環境(2017/7/11~) オールSSD+CPU 20コア+メモリ 192GB
旧環境(2016/11/29~) CPU 20コア+メモリ 192GB 2017年冬以降順次
それ以前の環境 CPU 16コア+メモリ 96GB 新サーバー簡単移行 or 20171年秋以降



それ以前のサーバー環境の場合は、「新サーバー簡単移行」機能を使用することで、一気に「CPU・メモリのスペックアップ+オールSSD環境」への移行が可能になります。一方、すでに CPU・メモリが新スペックの環境になっているサーバーの場合は、エックスサーバー側での移行作業を待つ形になります。

エックスサーバーがメモリを劇的に増強・「新サーバー簡単移行」機能の提供を開始


WordPress サイトによる表示速度の検証条件

では、今回の表示速度の変化について検証を行った条件等について簡単に説明します。

まず、サイトの表示速度の測定は、他の検証でも利用していますが、サイト速度のパフォーマンスを確認できる GTmetrix にて行っています。


測定サイトの条件

  • WordPress でサイトを作成
  • 測定用の WordPressサイトには、テキスト量や画像の量を変えた 4パターンを用意
  • PHP のバージョン 5.6 と 7.0 それぞれで表示速度を測定、その平均速度を確認
  • 平日の9:00~24:00 の間で、2~3時間おきに合計 7回実施
  • 過去に旧環境(2017/11以降の環境)で測定したデータと今回の表示速度を比較

測定用WordPressサイトの4パターン

さらに、サイトのコンテンツ内容によりどう変化があるかを確認するため、合計 4つのパターンのサイトを作成し、比較してみます。(ただ、PHP5.6 については、過去の調査データがノーマルサイトと長文サイトしかなかったため、そちらとの比較のみになります。)

サイトの種類 コンテンツの内訳
ノーマルサイト 文字数 約3000文字+画像1枚
長文サイト 文字数 約37,000文字+画像1枚
長文+画像多めサイト 文字数 約37,000文字+画像6枚(平均66KB/枚)
画像のみ多数サイト 画像32枚(平均82KB/枚)

オールSSD化による表示速度の変化検証

さて、早速オールSSD化によって、どのくらい表示速度に変化がみられるかを見てみてみましょう。

表示速度の単位は「秒」「差分」の項目の意味は、「旧環境-オールSSD環境」、つまり「プラスなら旧環境のほうが速い」「マイナスならオールSSD環境が速い」ということを表しています。

旧環境 オールSSD環境 差分
PHP5.6 PHP7.0 PHP5.6 PHP7.0 PHP5.6 PHP7.0
ノーマルサイト 1.29 1.14 1.24 1.10 -0.05 -0.04
長文サイト 2.65 2.29 2.93 2.27 0.28 -0.02
長文+画像多めサイト 2.34 2.56 2.21 -0.13
画像のみ多数サイト 1.97 1.96 1.76 -0.21



PHP5.6 の長文サイトはブレが出てしまったためか、逆に表示速度が遅くなっていますが、それ以外のサイトではすべて速度がアップしています。

速くなったと言っても見ての通り、ほんの少しのように見えますが、エックスサーバーは元々 WordPress の表示速度が速く、当サイトで紹介しているレンタルサーバーの中でも常にトップを誇っていますので、それほど差が出なくても仕方がありません。

とはいえ、「長文+画像多めサイト」や「画像のみ多数サイト」など、データ量が多くなるとそれなりに差が大きくなっていますので、やはり全体的に処理速度はアップしていると言っていいでしょう。



ちなみに、2016年4月にさらに古い環境(CPU 16コア・メモリ 96GB)で実施した、ノーマルサイトの表示速度の結果とも比べてみましょう。

以前の環境 旧環境 オールSSD環境
ノーマルサイト 2.07 1.29 1.24
差分 -0.78 -0.83

こちらは、PHP5.6、サイトのデータは全く同じですが、以前の環境(2016/11/29以前)ではテーマやプラグインなど若干異なりますが、むしろそれ以降の環境のほうが重めの設定になっているので、気にしなくていいと思います。

見ての通り、以前の環境と比較すると大幅な速度向上が見られていることがわかりますね。


まとめ

以上、エックスサーバーが提供を開始した、オールSSD環境の概要の説明と、WordPress サイトの表示速度の検証結果を確認してみました。

オールSSDとはいえ、すでにデーターベースサーバーは SSD化されていたため、表示速度への影響は限定的ではありました。しかし、ほぼすべてのパターンのサイトで表示速度は向上していますし、処理するデータ量が多ければ、より速度向上率は高くなっていますので、表示速度向上の効果は高いと考えていいでしょう。

上に書いたように、元々エックスサーバーの処理速度・表示速度は速く、他社との比較検証でもトップだったのですが、今回のオールSSD化でさらなる速度向上が図られました。また、以前の環境のユーザーに対して、先行してオールSSD環境への移行を自由に行えるようにするなど、既存ユーザーへのサービスに関しても、他社の追従を許さないほど高い満足度を与えてくれますね。



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