レンタルサーバー会社による大規模災害に対する特別支援措置を比較



近年、日本各地で地震や台風などによる大規模災害が頻発しています。被害にあわれた方々は、大変なご苦労をされていると思いますが、一日も早い復興をお祈りいたします。

さて、特に東日本大震災以降、レンタルサーバー各社も災害の被害にあったユーザーに対する救済措置を実施するようになってきました。

とはいえ、その救済の方針もレンタルサーバー各社によりまちまちです。もちろん、会社の収益に直接関わることですので、様々な考え方や方針があるのは当然ではありますが、ユーザーに対する救済の内容には、会社によりかなりの差が見られます。

今回は、当サイトで紹介しているレンタルサーバー会社が実施した、昨年からの大規模災害に対する救済措置・特別措置を比較してみます。


大規模災害の影響で想定されるレンタルサーバー利用上の損害とは

レンタルサーバーが保管されているデータセンター自体は、大規模災害が発生した場合でも、あらかじめ立地を考慮したり、データを分散して管理していたりすることで、安定的な稼働を実現できるよう設計されています。

一方、災害の被害にあったユーザーの場合は、家に戻れなかったり、郵便物が受け取れない、メールチェックができず更新通知のメールを見逃してしまうなど、様々な理由で支払いが行えなってしまうケースがありえます。クレジットカード払いや銀行引き落としの場合はまだいいですが、請求書払いなどの場合は非常に危険です。



当然レンタルサーバー自体が稼働していれば、サーバーの使用料金は発生します。そして、支払いが滞ればレンタルサーバーの契約も停止されてしまい、Webサイトも表示されなくなってしまいます。

そして、Webサイトが表示されないということは、Webサイトから得ていた収益が一気にゼロになってしまうということです。

最悪、Webサイトはバックアップさえ取っていれば、後日復旧することは可能です。しかし、独自ドメインの更新ができなければ、非常に致命的な問題が発生します。

独自ドメインの契約を更新できなかった場合、今は再度同じドメインを取得するのは非常に難しいです。なぜなら、昨今は中古ドメインを扱っている業者などが、独自ドメインの失効のタイミングを狙って取得してしまいますし、よいドメイン名であれば一般ユーザーに取得されてしまう可能性もあります。

独自ドメインを失効してしまうと、それまで培ってきた外部リンクやドメインパワーもすべてなくなってしまいます。また一からやり直さなければならなくなり、サイトを再公開できても、収益が一気に落ちてしまう可能性は非常に高いと言えます。



以上のように、大きな問題が発生する可能性があるため、近年はレンタルサーバー側も、大規模な被害が発生した災害の被災者に対しては、あらかじめ救いの手を差し伸べるようになってきました。

では、実際にどのような救済策が行われているのか見てみましょう。


レンタルサーバー会社による大規模災害に対する特別措置比較

以下にレンタルサーバー各社の公式サイトで確認できる、2015年以降に発生した大規模災害に対する救済措置・特別措置を一覧にしてみました。

特別措置の具体的な実施内容としては、以下のいずれかが行われています。

    ・1~2か月分の無償化(ドメインは1年分)
    ・未入金によるサービス停止の一時回避(支払期限を延ばしてあげる)
    ・特になし

大規模災害に対する特別措置比較一覧

平成27年 台風18号 平成28年 熊本地震 平成28年 台風10号
エックスサーバー [サーバー]:利用期間1~2か月分無料化
[ドメイン]:1年分を無料更新
[サーバー]:利用期間1~2か月分無料化
[ドメイン]:1年分を無料更新
[サーバー]:利用期間1~2か月分無料化
[ドメイン]:1年分を無料更新
クローバー [サーバー]:利用期間1~2か月分無料化
[ドメイン]:1年分を無料更新
[サーバー]:利用期間1~2か月分無料化
[ドメイン]:1年分を無料更新
[サーバー]:利用期間1~2か月分無料化
[ドメイン]:1年分を無料更新
ロリポップ 未入金によるサービス停止の一時回避
heteml 未入金によるサービス停止の一時回避 未入金によるサービス停止の一時回避
お名前.com 未入金によるサービス停止の一時回避
WADAX 未入金によるサービス停止の一時回避 未入金によるサービス停止の一時回避 未入金によるサービス停止の一時回避
iCLUSTA+ 未入金によるサービス停止の一時回避 未入金によるサービス停止の一時回避 未入金によるサービス停止の一時回避
カゴヤ 未入金によるサービス停止の一時回避
さくらインターネット [月額払い]:1ヶ月分無料化
[年間一括払い]:1ヶ月分を無料延長
ABLENET
SpeeVer 支払期限延長の相談受け
WebARENA
Bizメール&ウェブエコノミー [請求書払い]:支払期限を1ヵ月間延長
([実質的にサービスを全く利用できなかった場合]:利用料金の減免)



こういった会社を挙げての大きな措置は、会社やグループ会社により対応方針が統一される傾向があるようですが、このケースにおいても同一グループ間で同じ方針で統一されているようです。

大きく分けると、エックスサーバー系列(エックスサーバーとクローバー)GMO系列(ロリポップ~iCLUSTA+)その他、に分かれます。(NTT系列(WebARENA とBizメール&ウェブエコノミー)もありますが、方針が統一されていないので残りの他社ということで分けてみることができます)



まず、エックスサーバー系列は、上にあげた 3つの災害すべてに対し、サーバーの 1~2か月無償化と独自ドメインの 1年無料更新を実施しています。

次に、GMO系列は「未入金によるサービス停止の一時回避」で統一されています。ただ、どの災害に対して措置が行われてたかについては、各社バラバラでした。特に同じ GMOペパボ株式会社に属するロリポップheteml でも、対応が若干違いますね。

その他の会社については、方針がバラバラです。特に同じ NTT 系列でも WebARENA Bizメール&ウェブエコノミーでは対応が異なりました。

ただ、Bizメール&ウェブエコノミーに関しては、レンタルサーバー個別に対する対策ではなく、NTTコミュニケーションズ全体に対しする措置しか書かれていなかったため、「実質的にサービスを全く利用できなかった場合」はレンタルサーバーにはあてはまらない可能性はあります。(主に回線系などに適用されると思われます)



以上を方針の違いによりまとめてみると、以下のようになります。

無償化 エックスサーバー系列・さくらインターネット
支払い期限延長 GMO系列・カゴヤ・SpeeVer・Bizメール
特になし ABLENET・WebARENA

大規模災害に対する特別支援措置の比較まとめ

以上、レンタルサーバー会社による大規模災害に対する特別支援措置の内容を比較してみました。

Webサイトを利用したネットビジネスは、運営者自身が常時稼働できなくても、1年365日24時間営業を行うことができる、非常にメリットの大きいビジネスです。たとえ災害の被害にあったとしても、サイトが無事であれば、いつでも収益を上げ続けることができます。

その反面、いざ料金未納で Webサイトの公開が停止されてしまうと、上で上げたようなビジネスにとって非常に致命的な問題が発生することがあります。収益にとっても、非常に大きな痛手をこうむることになります。



万が一支払いが滞るような事態が発生したときであっても、レンタルサーバー会社側が積極的にユーザーに対する救済措置を行ってくれると、被害者によっては本当にありがたいものでしょう。

上で上げたように公式に救済措置を公表している会社以外でも、個別に相談すればおそらく支払い延期等の措置は取ってくれるとは思いますので、もし被害にあったような場合は、とり急ぎレンタルサーバー会社に相談してみるといいと思います。

その半面、さくらインターネットとエックスサーバー系列の会社は無償化してくれていますが、被害規模が大きければ大きいほど、その分レンタルサーバー会社の収益も大幅に減少してしまうことになります。それにも関わらず、ユーザーのことを第一に考えて、救済措置を断行してくれる会社には本当に頭が下がります。

特に、エックスサーバークローバーなどのエックスサーバー系列の会社では、地震以外の大規模な台風に対しても無償化を実施してくれています。ここまでユーザーを大切にしてくれる会社であれば、安心してサーバーを借りられますし、たとえサーバーを借りてはいなくてもファンになってしまうのではないでしょうか。