Webサーバーの安定性を独自調査データで比較【2022年版】

Webサーバーの安定性を独自調査データで比較【2022年版】

ネットビジネスのためのレンタルサーバーにとって、最も重要なのは安定性。収益源となっている Webサイトが、表示されたりされなかったりするような状況が発生するのを防ぐためには、この安定性をチェックすることが必要です。

ただ、Webサイトを頻繁にチェックしたとしても、サイトの表示速度はわかりますが、よほど頻繁にサーバーが落ちてしまうような状況が発生しない限り、目視で安定具合をチェックするのは困難です。

また、サーバーエラーや障害以外でも、様々な要因によって Webサイトが一時的に表示されなかったり、表示に時間がかかってしまうといったことは日常的に起こりえます。エラーや障害が発生した場合には、ログや障害情報をチェックすればわかりますが、明らかな症状がない場合には、その問題に気づくことすらできません。

そこで、サーバーの状況を監視できる専用のサービスを利用して、Webサーバーの安定性と応答速度をチェックし、比較してみました。

Webサーバーのモニタリング実施概要

Webサイトの安定性と応答速度を調査するため、 Site24x7 というサービスを利用しました。
(前年まで利用していた monitis がサービスを終了したため)

Site24x7 はサーバーをモニタリングするための数多くのサービスを提供していますが、ここでは死活監視の機能(サーバーがきちんと稼働して、応答しているかをチェックする機能)を利用して、Webサーバーの稼働状況をチェックします。

具体的にチェックするデータは、以下のような情報です。

  • Webサーバーが常時稼働しているか
  • リクエストに対し、コンテンツのデータをきちんと返しているか(Webサイトが表示されているか)
  • どれくらい速く応答しているか

これらの状況をチェックすることで、Webサイトが常時表示されているか、またどのくらい速く応答できているか、を知ることができます。

測定条件の詳細

今回もすべてのサーバーに、全く同じ内容の WordPress サイトを構築します。そして、測定するサーバーから、各サイトに「HTTPリクエスト」を投げて、その応答状況を比較するという形で実施しています。

※「HTTP リクエスト」=ブラウザが Webサーバーに、サイトのデータを送り返すように要求する命令のこと。ブラウザで Webサイトの表示をするのと同じプロセス。

以下が、その詳細条件です。

WordPress のバージョン計測時点での最新バージョン(計測中は自動更新無効)
WordPress のテーマTwenty Nineteen など、その年の最新テーマ (TwentyTwenty Twenty)
WordPress プラグインWP Multibyte Patch / Akismet / Hello Dolly
コンテンツ内容WPテーマユニットテスト (すべてのコンテンツをトップページに表示した状態)
測定ツールSite24x7 測定元サーバー(東京/大阪/長野) ※応答速度は東京の値
測定期間個人向け:各7日間のチェックを6か月間(2021年7月~12月実施)
法人向け:各7日間のチェック × 3回 (2021年
4月~12月実施)
測定内容httpリクエストへの応答状況
(60秒毎にリクエスト実施/10秒でタイムアウト)
測定状況の詳細日本国内のサーバーから HTTP リクエストを送信
/  リクエストは 1分毎に送信し、10秒で返信がなければタイムアウトとする
/  コンテンツ内の特定の文字列が返ってくるかもチェック

これまで可能な限り同じ条件で比較をするようにしていましたが、長期間に渡り複数のサーバーを調査することにしたため、PHP のバージョンなどを同一にするのが難しい状況になりました。そのため、PHP のバージョンやモードなどの細かい設定については、各サーバーで自動的に設定される初期状態の設定をそのまま使用しています。

プラグインに関しては、WordPress をインストールした際にデフォルトで導入されているもので、特に意味はありません。

コンテンツは、WordPress Codex で提供されている「WPテーマユニットテスト」というデータを利用しています。テキストの量もほどほど、画像や Youtube なども貼り付けられているので、現実のブログなどに近いデータ量になっています。誰でも無料で利用できるコンテンツなので、今回検証した条件を再現することも可能です。

なお、基本的に月額料金が 1,000~2,000円程度のプランを検証の対象としていますが、今回もさくらインターネットだけは、月額500円台の「スタンダード」プランを使用して検証しています。(これは、ちょうど他社と同じ 1,000円レベルのプランがないこと、全プランの中でも「スタンダード」のユーザー数が一番多く、上位プランよりも逆に性能がいい、という理由からです。)

Webサーバーの安定性比較

さて、実際に Webサーバーの安定性の状況を比較してみましょう。

チェックする項目は 2つで、「稼働率」と「平均応答速度」で、それぞれを順位付けしたものを総合して、総合順位をつけています。

  • 稼働率(単位:%):システムやサービスが利用できる時間の割合(100%に近いほど安定)
  • 平均応答速度(単位:ms ミリ秒):リクエストに対し返答を返した応答速度

要するに、「稼働率が高いほど安定」しており、「応答速度が速い」ほどより性能の高いサーバーと言えます。また、応答速度は安定性に直結するものではありませんが、Web サーバーの能力の差を見る意味でチェックをしています。

以下にその結果を、個人向けサーバーと法人向けサーバーで分けて掲載します。

個人向けサーバーの安定性比較

順位サーバー名
(プラン名)
項目平均7月8月9月10月11月12月
1位エックスサーバー稼働率100%100% 100%100%100%100%100%
応答速度201.2185.0225.0185.0213.0201.0198.0
2位ロリポップ!稼働率 100%100%100%100%100%100%100%
応答速度263.8206.0298.0245.0244.0370.0220.0
3位スターサーバー稼働率100%100% 100%100%100%100%100%
応答速度 319.3351.0384.0324.0301.0278.0278.0
3位ConoHa WING稼働率99.999%100%100%99.993%100%100%100%
応答速度 223.7253.0335.0283.0275.0264.0197.0
5位ColorfulBox 稼働率99.995%100%99.974%100%100%100%99.994%
応答速度267.8253.0335.0283.0275.0264.0197.0
6位さくらのレンタルサーバ稼働率99.999%100%99.992%100%100%100%100%
応答速度997.81,020.0957.0929.01,040.01,030.0891.0
7位heteml稼働率99.994%100%99.983%100%100%99.993%99.987%
応答速度449.2702.0517.0439.0541.0427.0459.0
7位mixhost稼働率99.974%100%99.844%100%100%100%100%
応答速度362.5363.0414.0370.0344.0339.0345.0
平均稼働率99.995%100%99.974%99.999%100%99.999%99.998%
応答速度389.4413.9421.5337.1386.0388.0350.0
※無断転載禁止
※稼働率の単位は「%」、応答速度の単位は「ミリ秒」

計測期間を通じて「稼働率 100%」を維持したのは上位 3つで、エックスサーバー、ロリポップ!、スターサーバーの 3つでした。また、ConoHa WING とさくらのレンタルサーバも、稼働率「99.999%」を維持できています。

レンタルサーバー会社の公式サイトでは、現在ほとんどの会社で「稼働率 99.999%」を歌っていますので、この 5社はその基準を満たしていると言えるでしょう。その他の会社はちょっとその基準には達していませんね。

といっても、各社の稼働率は全サーバーの稼働率の平均を出しているものなので、このように一部をピックアップした値とは当然異なってきます。今回の測定に利用したサーバーが、「たまたまハズレだった」という可能性もあります。

とはいえ、ダウン回数が多い heteml と、ダウン回数は 1回でも、その時間が長かった mixhost は、正直ちょっと心もとない感じはしますね。

ちなみに、この 8つのサーバーの中で唯一「SLA(品質保障制度)」を提供しているのが mixhost です。

SLA(Service Level Agreement / 品質保障制度):「稼働率が100%に満たなかった場合に、(主に月単位で)あらかじめ規定された料金を返金する」旨の取り決め

mixhost の SLA では、99.99%の保証(一年間で約 9時間までの停止が許容されるレベル)なので、一応基準値以下ではあります。

法人向け Webサーバーの安定性比較

順位サーバー名
(プラン名)
項目平均4月6月8月
1位エックスサーバービジネス稼働率100%100% 100%100%
応答速度212.3197.0219.0221.0
2位WADAX稼働率 100%100%100%100%
応答速度350.0398.0295.0357.0
3位CPI稼働率100%100% 100%100%
応答速度 434.0459.0395.0448.0
4位iCLUSTA+稼働率99.991%100%99.974%99.993%
応答速度 1,106.71,050.01,070.01,200.0
平均稼働率99.998%100%99.994%100%
応答速度525.8526.0494.8556.5
※無断転載禁止
※稼働率の単位は「%」、応答速度の単位は「ミリ秒」

法人向けサーバーでは、測定回数が少ないということもありますが、ほとんどの会社が稼働率 100% を達成できています。

一方、iCLUSTA+(アイクラスタプラス)は、その中でも 2 回もダウンが発生しています。たまたま、という可能性は否めませんが、法人向けでこの状況は少々キツイですね。

法人向けのサーバーは安定性を重視されるため、「SLA(品質保障制度)」を提供している会社は多くあります。

この中では CPI と iCLUSTA+ はどちらも 100% 未満、エックスサーバービジネスは 99.999% 以下で返金が発生し、ダウンタイムが長ければ長いほど、返金率は高くなるシステムになっています。そのため、今回の iCLUSTA+ の状況ではばっちり返金が発生しますね。

「応答なし」の発生原因とは

昨年まで利用していた monitis の場合は、測定サーバーが 1か所だけだったため、「応答なし」と記録されていても、サーバーログには障害などによるサーバー停止等が発生した記録がないケースがありました。

しかし、今回から利用している Site24x7 の場合は、東京・大阪・長野の 3か所のサーバーで計測し、そのすべてへの疎通が停止した場合にのみダウンと判定しています。(一部のサーバーへの応答がない場合も記録はされているが、ダウンとは判定していない)

また、基本的に計測ごとに利用している収容サーバーも変更していますので、今回のデータは以前に増して信頼性は高く、正確な状況が把握できていると言えますので、実際の安定性を確認することができていると思います。

まとめ

以上、個人向け、法人向けそれぞれの Web サーバーの安定性を比較してみましたが、稼働率だけを見ても思った以上に差が出ました。

もちろん、今回測定したサーバーが「たまたまハズレ」だった可能性もありますが、収容サーバーを変えて複数回、かつ長期に渡って計測していますので、それなりに実情を反映できているのではないかと思います。

ネットビジネスにおいて安定性は非常に重要ですので、個人向けであれば エックスサーバーロリポップ! 、法人向けでは SLA もある エックスサーバービジネスCPI がおすすめです。

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